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江戸吉原の経営学

日比谷 孟俊(著)

A5判  372頁 上製
定価 5,400円+税
ISBN 978-4-305-70892-2 C0091
在庫あり

奥付の初版発行年月 2018年03月
書店発売日 2018年03月16日
登録日 2018年02月22日

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書評情報

2018-06-16 日本経済新聞 

紹介

江戸吉原に新たなビジネス・チャンスを求めて──

多様な文化を内包する江戸の遊里・吉原。
本書は従来の研究が進められてきた文化的側面を俯瞰しつつ、寺社や関係者子孫に伝わる一次資料、妓楼・遊女の情報を伝える当時の案内書『吉原細見』、遊女絵から読み取れる「紋」などの情報から経営面を実証的に検証。
妓楼の経営者たちや経営実態、遊女のマネジメント、経営戦略などを読み解いていく。

図版多数掲載!

目次

はじめに─吉原の経営と文化をみると何がわかるのか

第一部 新しいビジネス・チャンスを求めて

第一章 吉原を席捲する尾張の経営者たち

一 吉原のはじまり
二 尾張出身者に関する沢田の先駆的研究
三 光明寺資料の調査
四 元禄『絵入大画図』との比較
五 尾張出身の妓楼経営者たち
六 岩屋寺香炉の寄進者の検証
七 常滑の東光寺で新たに発見された見番大黒屋の記録
八 尾張出身者が吉原に進出した理由
九 浮世絵にみる吉原の尾張コミュニティ
十 おわりに

コラム(1)『嫦娥農色児』

第二章 妓楼の経営実態と営業戦略─和泉屋平左衛門を例として

一 妓楼和泉屋平左衛門のはじまり
二 妓楼和泉屋平左衛門の資本はどこから
三 浮世絵にみる妓楼和泉屋平左衛門の発展
四 和泉屋における遊女の心中事件
五 天保の改革と経営危機
六 妓楼における客寄せ─大黒屋文四郎の場合
七 和泉屋平左衛門と八代目市川団十郎
八 妓楼「鶴和泉屋清蔵」
九 和泉屋清蔵と遊女の文芸活動
十 おわりに

コラム(2)「吉原夜景」

第三章 妓楼の危機管理─安政大地震、幕末の混乱

一 安政大地震の被害状況
二 和泉屋における仮宅営業
三 仮宅場所と期間決定の経緯
四 仮宅場所「花川戸」の既得権
五 幕末から維新の混乱
六 芸娼妓解放令と和泉屋の転身
七 おわりに

コラム(3)吉原での遊び

第二部 浮世絵から探る妓楼の経営戦略と文化ネットワーク

第四章 妓楼の営業政策
─『契情道中双娽見立よしはら五十三対』の初板と後板の開板年を手がかりに

一 はじめに
二 開板年を解き明かす研究手法の提案
三 「道中双娽」の開板時期とその目的
四 「道中双娽」の異板について
五 おわりに

コラム(4)津藤と山彦文次郎

第五章 妓楼の人事政策─紋から読み解く

一 はじめに
二 「和泉屋平左衛門仮宅之図」における紋の扱い
三 海老屋内「鴨緑」における紋の扱い
四 竹村伊勢の積み物が描かれた他の例
五 後板藍摺における紋の扱い
六 グループとしての同一紋の使用例
七 贔屓客の紋を描く絵
八 文政期遊女絵の特徴
九 おわりに

コラム(5)吉原は明るい所か暗い所か

第六章 江戸の音曲ネットワーク・システムを回した男─山彦新次郎

一 祭礼、歌舞伎、吉原俄─相互のかかわりと先行研究
二 吉原俄について
三 歌舞伎と吉原俄との関わり
四 山彦新次郎、文次郎父子と歌舞伎ならびに吉原俄
五 山彦父子と神田明神および山王権現祭礼
六 菅野序遊父子(山彦父子)と一中節
七 おわりに

あとがき
索引(書名・人名・事項・地名)

前書きなど

 吉原の「経営的側面」は、研究として未着手の領域と呼んでよいであろう。これには「人的ネットワーク」、「経営」および「遊女のマネジメント」の三つが挙げられる。ここで、一番大きな要素(システムとしてのステークホルダー)は経営者としての楼主である。「人的ネットワーク」という語に代表されるように、吉原を経営した人々が社会的にどういう階層に属しており、どのような道筋で吉原の経営に関わっていったのかを解明する研究や、「経営」における資本の役割に注目した研究、さらに遊女を扱う「マネジメント」に関する研究はまったくなされていない。(中略)本書では、吉原の「経営的側面」という未着手の領域を明らかにすると同時に、これまで縦割りでなされていた吉原研究の方法を見直すため、「文化的側面」もあわせ俯瞰的に捉えることで、吉原というシステム・オブ・システムズの在り方を解明してゆく。...「はじめに」より

著者プロフィール

日比谷 孟俊(ヒビヤ タケトシ)
1945年生まれ。1971 年慶應義塾大学大学院応用化学専攻修士課程修了。工学博士、博士(文学)。日本電気株式会社基礎研究所主席研究員、首都大学東京システムデザイン学部教授、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授を経て、現在、慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究所顧問。実践女子大学研究研究推進機構研究員。

上記内容は本書刊行時のものです。

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