啄木短歌論
河野 有時(著)
A5判 304頁 上製
定価 3,800円+税
ISBN 978-4-305-70889-2 C0095
在庫あり
奥付の初版発行年月 2018年04月 書店発売日 2018年04月10日 登録日 2018年04月03日
紹介
啄木短歌がなければ近代に短歌はあっても、短歌の近代などなかった。
「何を歌うか」「どう歌うか」という問いに、「なぜ歌うか」という問いが浸潤する。
近代における短歌と対峙し、短歌における近代の扉を開いた啄木。
本書は、「近代」と「短歌」をつなぎとめる鎹(かすがい)となった啄木短歌の多様な試みと、
啄木と歌との個性的なかかわりを考察し、その歌の果たした役割に迫る。
目次
はしがき
凡例
序
Ⅰ 啄木短歌の言葉と表現
1 手を見るまえに
2 さばかりの事
3 「ふと」した啄木
Ⅱ 『一握の砂』の詩的時空
1 ウサギとアヒルと『一握の砂』
2 石川啄木と非凡なる成功家
3 啄木「おもひ出づる日」の歌
4 啄木の耳
5 忘れがたき独歩
6 亡児追悼──『一握の砂』の終幕
Ⅲ 『一握の砂』への道
1 「曠野」の啄木──啄木短歌と散文詩
2 明治四十一年秋の紀念
3 Henabutte yatta ──啄木のへなぶり歌
Ⅳ 啄木短歌から現代短歌へ
1 『池塘集』考──口語短歌の困惑
2 はだかの動詞たち──啄木短歌における動詞の終止形止めの歌について
3 鶴嘴を打つ群を見てゐる──短歌表現におけるテイル形に関する一考察
初出一覧
あとがき
引用短歌索引
人名索引
歌書索引
前書きなど
啄木自身は「正直に言へば、歌なんか作らなくてもよいやうな人になりたい」と願ってもいたようです。
だから、啄木が歌を作るときには、「何を歌うか」「どう歌うか」という問いに、「なぜ歌うか」という問いが浸潤しました。そうやって、啄木は短歌という表現形式とずっと向き合ってきたのです。
短歌が自我の詩であり、一人称の詩型であれば、それはまた「私」と向き合うことにほかなりません。
……本書・はしがきより
著者プロフィール
河野 有時(コウノ アリトキ)
1968年大阪府生まれ。東北大学文学部卒業、東北大学大学院文学研究科博士課程国文学専攻単位取得退学。
東京都立航空工業高等専門学校を経て、現在、東京都立産業技術高等専門学校教授。
博士(文学)。
著書に『コレクション日本歌人選035 石川啄木』(2012年1月、笠間書院)など。 上記内容は本書刊行時のものです。
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