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【シリーズ】日本文学の展望を拓く 3 宗教文芸の言説と環境

小峯 和明(監修) / 原 克昭(編著)

A5判  410頁 上製
定価 9,000円+税
ISBN 978-4-305-70883-0 C0095
在庫あり

奥付の初版発行年月 2017年11月
書店発売日 2017年11月10日
登録日 2017年10月25日

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紹介

既存の学域、系統、時代設定に拘泥せず、
宗教特有のダイナミズムを読み解く、
その視座と方法をどう獲得するか。

日本文学とその研究がこれまでに担ってきた領域、これから創造していく可能性をもつ領域とは何か。
人文学としての文学が人間社会に果たしうる役割に関して、
より豊かな議論を成り立たせるには、これからどうしていけばよいのか。
日本文学の窓の向こうに広がるものの総体を捉えようとするシリーズ、「日本文学の展望を拓く」第3巻。

【執筆者】鈴木 彰/原 克昭/小峯和明/高 陽/趙 恩馤/陸 晩霞/石井公成/水口幹記/有賀夏紀/李 銘敬/文 明載/大西和彦/司 志武/マティアス・ハイエク/胡 照汀/伊藤 聡/平沢卓也/門屋 温/平田英夫/アンドレア・カスティリョーニ/奥山直司/神田英昭

目次

緒言──本シリーズの趣意──(鈴木 彰)
総論──宗教文芸の沃野を拓くために──(原 克昭)
1 はじめに/ 2 宗教文芸の射程(第1部)/3 信仰空間の表現史(第2部)/4 多元的実践の叡知(第3部)/5 聖地霊場の磁場(第4部)

第1部 宗教文芸の射程

1 〈仏教文芸〉論──『方丈記』の古典と現代──(小峯和明)
*仏教文芸、方丈記、法会文芸、随筆、享受史
1 「仏教文学」から〈仏教文芸〉へ/2 『方丈記』の読まれ方/3 近代の屈折と今成論の衝撃/4 異本の存在と中世の法会唱導など/5 『方丈記』の享受と再生/6 東アジアの「随筆」
2 天竺神話のいくさをめぐって──帝釈天と阿修羅の戦いを中心に──(高 陽)
*『今昔物語集』、阿修羅、帝釈天、戦さ、須弥山
1 はじめに/2 『今昔物語集』の説話から/3 須弥山をめぐる/4 阿修羅と帝釈天の住処/5 阿修羅の身体、日と月/6 帝釈天と阿修羅の戦いの原因/7 帝釈天が引き返す理由/8 阿修羅の逃げ場所/9 極大と極小の反転/10 須弥山という舞台にいる金翅鳥と阿修羅と龍/11 中国の例から──中国文献における帝釈天と阿修羅の記述/12 帝釈天と阿修羅の戦いの図像に関して/13 『天神縁起絵巻』の場面/14 まとめ
3 民間伝承における「鹿女夫人」説話の展開(趙 恩馤)
*鹿足夫人、光明皇后、大宮姫、浄瑠璃御前、和泉式部
1 はじめに──「鹿女夫人」説話の前史 /2 韓国における「鹿足夫人」説話と「足袋合わせ」/3 王后となる鹿娘──「光明皇后」と「大宮姫」/4 放浪する鹿娘──「浄瑠璃御前」と「和泉式部」
4 中世仏教説話における遁世者像の形成──高僧伝の受容を中心に──(陸 晩霞)
*遁世者像、澄心、高僧伝、摩訶止観、受容
1 はじめに/2 遁世の意味/3 類型化する遁世者像──遁走型・閑居型・佯狂型/4 理想的な遁世の境地──澄心/5 高僧伝の受容について/6 おわりに
5 法会と言葉遊び──小野小町と物名の歌を手がかりとして──(石井公成)
*古今和歌集、掛詞、六歌仙、仏教、大伴黒主
1 はじめに/2 法会関連の小町の歌/3 僧侶と言葉遊び/4 物名歌と仏教/5 恋を扱った歌と仏教の表現/6 おわりに

第2部 信仰空間の表現史

1 蘇民将来伝承の成立──『備後国風土記』逸文考──(水口幹記)
*蘇民将来、備後国、風土記、洪水神話、祇園社
1 『備後国風土記』逸文/2 蘇民将来をめぐる論点と研究史/3 『備後国風土記』逸文の構成と背景となる物語/4 「蘇民将来」の語義について
2 『八幡愚童訓』甲本にみる異国合戦像──その枠組み・論理・主張──(鈴木 彰)
*『八幡愚童訓』甲本、異国合戦、歴史叙述、三災へのなぞらえ、殺生と救済
1 はじめに/2 三災へのなぞらえ──水・火・風の奇瑞/3 殺生する神──合戦と「怨」の連鎖/4 神功皇后の評価/5 「安全」を求める祈り──唱導の書としての『八幡愚童訓』
3 『神道集』の「鹿嶋縁起」に関する一考察(有賀夏紀)
*『神道集』、鹿嶋大明神、天津児屋根尊、日本紀注、古今注
1 はじめに/2 『神道集』の「鹿嶋縁起」/3 鹿嶋神と天津児屋根/4 神宮寺と十一面観音/5 金鷲・銀鷲と日本紀注/6 『神道集』と東国の諸注釈/7 おわりに
4 日本における『法華経顕応録』の受容をめぐって──碧沖洞叢書八・説話資料集所収『誦経霊験』の紹介を兼ねて──(李 銘敬)
*『法華経顕応録』、受容、『弥勒如来感応抄』、『諡号雑記』、『誦経霊験』
1 宗暁と『顕応録』/2 『弥勒如来感応抄』と『顕応録』/3 無住と『顕応録』/4 『諡号雑記』と『顕応録』/5 『法華霊験伝』と『顕応録』/6 『誦経霊験』と『顕応録』/7 結語
5 阿育王塔談から見た説話文学の時空(文 明載)
*説話、今昔物語集、三国遺事、阿育王塔、仏教伝来史
1 はじめに/2 『今昔物語集』の阿育王説話/3 中国における阿育王塔談の意味/4 韓国における阿育王塔談の意味/5 日本における阿育王塔談の意味/6 むすびに代えて
6 ベトナムの海神四位聖娘信仰と流寓華人(大西和彦)
*神霊数、流寓華人、ベトナム化、技術継承、交通要地
1 はじめに/2 先行研究から見た問題の所在/3 基礎史料に顕隠する数詞概念/4 コーン神祠周辺地理と華人の流寓/5 結論

第3部 多元的実践の叡知

1 平安朝の謡言・訛言・妖言・伝言と怪異説話の生成について(司 志武)
*讖緯、怪異、詩妖、うわさ、小説
1 言説から生まれた「小説」と「説話」/2 史書五行志と志怪小説の「謡言」「妖言」「訛言」/3 奈良・平安時代の「詩妖」──童謡・訛言・妖言など/4 魍魎が跋扈する奈良・平安時代と妖言・訛言・伝言/5 「伝言」と「諺」も説話そのものである/6 結論
【コラム】相人雑考(マティアス・ハイエク)
*人相見、予言文学、占い、観相説話、三世観
1 予言文学としての「職人」逸話/2 「相人」の逸話の特徴/3 「観相説話」の技術的・信仰的背景/4 結び
2 虎関師錬の十宗観──彼の作品を中心に──(胡 照汀)
*虎関師錬、十宗観、中世禅僧、『元亨釈書』、『済北集』
1 はじめに/2 虎関の十宗観について/3 虎関の十宗観の由来について/4 おわりに
3 鎌倉時代における僧徒の参宮と仏教忌避(伊藤 聡)
*伊勢神宮、中世神道、仏教忌避
1 はじめに/2 外宮の五百枝杉と内宮の百枝松/3 鎌倉時代の五百枝杉・百枝松/4 文治二年の東大寺衆徒参宮/5 おわりに──行基参宮譚をめぐって
4 『倭姫命世記』と仏法──諄辞・清浄偈を中心に──(平沢卓也)
*伊勢神道、中臣祓訓解、倭姫命世記、清浄観、諄辞、祝詞
1 はじめに/2 『倭姫命世記』の〝瑕疵〟/3 天児屋命の諄辞/4 諄辞の削除/5 おわりに
5 神龍院梵舜・小伝──もうひとりの『日本書紀』侍読──(原 克昭)
*梵舜、梵舜本、『梵旧記』、吉田神道家、日本紀の家
1 はじめに──研究史瞥見/2 文庫守・梵舜──「神龍院文庫」の隻影/3 侍読・梵舜──『日本書紀』進講の光芒/4 むすびに──公武間に屹立する「日本紀の家」

第4部 聖地霊場の磁場

1 伊勢にいざなう西行(門屋 温)
*伊勢神宮、参詣記、西行、聖地、廃墟
1 西行に興味はないものの/2 西行の旧跡/3 『参詣記』の西行/4 廃墟の西行/5 西行の聖地
【コラム】弥勒信仰の表現史と西行(平田英夫)
*西行、高野山奥の院、山家心中集、弥勒信仰、空海
2 詩歌、石仏、縁起が語る湯殿山信仰──室町末期から江戸初期まで──(アンドレア・カスティリョーニ)
*湯殿山、一世行人、板碑、不食供養、縁起
1 戀の湯殿山/2 湯殿山が鍛えた渡海者/3 不食と湯殿山/4 縁起の山/5 おわりに
【コラム】物言う石──E・A・ ゴルドンと高野山の景教碑レプリカ──(奥山直司)
*E・A・ゴルドン、景教碑、高野山、キリスト教、仏耶一元論
1 はじめに/2 高野山へのレプリカの建立/3 高野山レプリカの特徴/4 ゴルドンの思想とその影響
3 南方熊楠と水原堯栄の交流──附〈新出資料〉親王院蔵 水原堯栄宛南方熊楠書簡──(神田英昭)
*南方熊楠、水原堯栄、高野山、真言密教、新出資料
1 南方熊楠と水原堯栄/2 親王院蔵 昭和十四年九月十八日付 水原堯栄宛南方熊楠書簡/3 高野山金堂で観た大日如来の掛け軸について/4 水原堯栄からの返信/5 熊楠の菩提を弔う堯栄──幻となった熊楠と堯栄の会合/6 〈新出資料〉親王院蔵 水原堯栄宛南方熊楠書簡

あとがき(小峯和明)

全巻構成(付キーワード)
執筆者プロフィール
索引(人名/作品名・資料名)

前書きなど

編者のいう「実践的営為が宗教文芸を生みだし宗教言説を醸成する」との指摘通り、宗教文芸はもはや文字テクストを読みこなすだけのレベルではとらえきれない。行や作法をはじめ種々の実践をともない、法会などのパフォーマンスや様々な言説、音声と身体を駆使した営みによって形作られるものである。本書は文芸言説論、文献表現論、実践動態論、聖地霊場論に区分けされるが、それらの基底にあるのは、実践動態であろう。たとえば、往生伝の編纂や書写自体が阿弥陀や往生者との結縁であり、行の意味を持っていたように、テクストの生成もまた行の実践の所産にほかならない。…あとがき(小峯和明)より

著者プロフィール

小峯 和明(コミネ カズアキ)
1947年生まれ。立教大学名誉教授、中国人民大学高端外国専家、早稲田大学客員上級研究員、放送大学客員教授。早稲田大学大学院修了。日本中世文学、東アジア比較説話専攻。物語、説話、絵巻、琉球文学、法会文学など。著作に『説話の森』(岩波現代文庫)、『説話の声』(新曜社)、『説話の言説』(森話社)、『今昔物語集の世界』(岩波ジュニア新書)、『野馬台詩の謎』(岩波書店)、『中世日本の予言書』(岩波新書)、『今昔物語集の形成と構造』『院政期文学論』『中世法会文芸論』(笠間書院)、『東洋文庫809 新羅殊異伝』(共編訳)、『東洋文庫875 海東高僧伝』(共編訳)など、編著に、『東アジアの仏伝文学』(勉誠出版)、『東アジアの女性と仏教と文学 アジア遊学207』(勉誠出版)、『日本文学史』(吉川弘文館)、『日本文学史―古代・中世編』(ミネルヴァ書房)、『東アジアの今昔物語集―翻訳・変成・予言』(勉誠出版)ほか多数。
原 克昭(ハラ カツアキ)
立教大学助教。日本中世思想史。『中世日本紀論考─註釈の思想史』(法蔵館、2012年)、「「日本紀の家」盛衰記・再索─吉田兼見・梵舜の家学と文芸」(『中世文学』61号、2016年)、『続神道大系・習合神道』(共編、神道大系編纂会、2006年)。

上記内容は本書刊行時のものです。

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