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『今昔物語集』の漢語研究

郭 木蘭(著)

A5判  336頁 上製
定価 8,500円+税
ISBN 978-4-305-70869-4 C0093
在庫あり

奥付の初版発行年月 2018年08月
書店発売日 2018年09月03日
登録日 2018年08月21日

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紹介

『今昔物語集』の漢語実態を精査し、日本語語彙への漢語浸透度と使用頻度、現代語への継承などを膨大なデータを駆使して、数量的観点から精密に解析した画期的労作。

—推薦—
小峯和明・立教大学名誉教授◉『今昔物語集』初めての本格的な漢語論集。衣食住など生活面から語位相を解明。漢文訓読論や説話・物語研究にも必須の語彙論。
月本雅幸・東京大学教授◉「今昔」の漢語を綿密に検討し,その諸相を解明,12世紀の知識人が使い得た漢語の総体を提示する。

目次

 序文/凡例

序章 和漢混淆文の漢語
  一 本研究の動機
  二 『今昔物語集』の概要
  三 先行研究
  四 研究の目的と方法
  五 資料に関して
第一章 『今昔物語集』の漢語の分布―文体との関わり―
  一 はじめに
  二 『今昔物語集』における漢語の分布
     [表一 各部の漢語部分]
  三 各巻における漢語の分布状況
     [表二 各巻の延べ語数及びページ数]
  四 おわりに

第二章 『今昔物語集』の漢語の形成
  一 はじめに
  二 三辞書との対照
     [表一 各辞書に見られる漢語数][表二 各グループの漢語数]
  三 『大漢和辞典』に見られる漢語
  四 『広説佛教語大辞典』に見られる漢語
  五 『色葉字類抄』に見られる漢語
     [表三 「共通グループ」の漢語][表四 仮名文学作品にも見られる漢語]
  六 三辞書とも見られる漢語
  七 三辞書とも見られない漢語
     [表五 特別グループ]
  八 おわりに
     [表六 三類別の漢語数]

第三章 日常生活との関連―漢語の浸透と層別―
 第一節 はじめに
 第二節 衣服関係の漢語
  一 調査の目的と方法
  二 衣服関係の語彙における漢語
     [表一 衣服関係語彙数]
   二・一 漢語
   二・二 和語
  三 仮名文学にも見られる漢語
  四 古記録に見られる漢語
  五 『色葉字類抄』に見られる漢語
  六 その他の漢語
  七 衣服関係の語彙の分布
   七・一 漢語の分布
     [表二 巻ごとの漢語][表三 仏教関係の漢語][表四 衣服の総称の漢語][表五 「装束」]
   七・二 和語の分布
     [表六 衣服本体の和語][表七 衣服の総称和語]
  八 結び
 第三節 食料関係の漢語
  一 調査の目的と対象
  二 『今昔物語集』における食料関係の語彙
     [表一 食料関係の名詞語彙数]
  三 食料の総称としての漢語
   三・一 語彙の意味
   三・二 『色葉字類抄』等との対照
   三・三 説話の出典との関係
  四 食品・料理・嗜好品等
   四・一 仮名文学作品に見られる語 
   四・二 『色葉字類抄』等に見られる語
   四・三 その他の語
   四・四 まとめ
  五 結び
 第四節 住居関係の漢語
  一 調査の目的と方法
  二 建造物関係の語彙における漢語
     [表一 仏教の宗教施設の語彙数][表二 住居関係語彙数]
  三 語彙表
  四 仮名文学作品に見られる漢語
  五 古記録に見られる漢語
  六 『色葉字類抄』に見られる漢語
  七 その他の漢語
  八 結び
 第五節 おわりに

第四章 現代語との関連―漢語の伝承―
 第一節 はじめに
 第二節 『新漢語辞典』に見られる漢語
  一 調査の目的と方法
  二 調査の結果
     [表一 『今昔』に見られる漢語の内訳]
  三 語彙表
  四 語義が転化した漢語
  五 結び
     [表二 現代雑誌に見られる漢語の割合の比較]
 第三節 現代雑誌に見られる漢語
  一 調査語彙表に関して
  二 現代雑誌に見られる漢語
     [表一 現代雑誌に見える『今昔』の漢語の内訳]
  三 語彙表
  四 使用度数や文字数別による整理
     [表二 文字数別の漢語数]
  五 現代雑誌と『色葉字類抄』と『今昔物語集』の共通漢語
     [表三 現代雑誌にも『色葉』にも見られる『今昔』漢語の使用状況]
  六 結び
 第四節 漢語の語義変化の一端―「次第」を通して見る―
  一 調査の目的
  二 『今昔物語集』における「次第」の用法
  三 「次第」の用法について
  四 用法の歴史的変遷
     [表一 「次第」の用法の歴史的変遷]
  五 「次第」の用法の展開
  六 現代の用法
  七 結び
 第五節 おわりに

結章 漢語の浸透と継承

 参考文献/構成論文初出一覧/あとがき

前書きなど

日本の歴史を辿って見ると、平安時代は王朝史・文学史・宗教史・日本語史等の上で、揺るぎない重要な地位を占めていることに疑問の余地はない。学部生時代から平安時代の文学・文化・言語・生活意識等々に深い興味を覚えていた。平安時代の文化や言語生活には、もちろん中国の文化や言語の影響も見られる。しかし、日本の人々は中国の文化や言語の影響を受けつつも、独自の文化・言語を創り出した。その点に魅力を感じ、平安時代の日本語、特に中国から受け継いだ漢語の実態について、より深く探究したいと思うようになった。……中略……中でも私は和文と漢文両者の要素を受け継ぎながら、独自の性格を有する和漢混淆文に興味を持っている。それは、平安末期の和漢混淆文に見られる漢語の研究は必ずしも尽くされていないからである。本書は和漢混淆文に着目し、平安時代末期(院政期)の日本語、特に『今昔物語集』を主な資料として、漢語の側面を探求することを目指したものである。 (序章より)

著者プロフィール

郭 木蘭(カク モクラン)
1970年生まれ。
中国福建省出身。博士(文学)。
2000年 明海大学外国語学部日本語学科卒業。
2003年 東洋大学大学院文学研究科国文学専攻博士前期課程修了。
2008年 同 博士後期課程修了。
現在 華僑大学外国語学院専任講師 華僑大学翻訳研究センター(Center for Translation Studies of Huaqiao University)研究員(华侨大学外国语学院。华侨大学翻译研究中心)

上記内容は本書刊行時のものです。

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