永井 和子(著)
A5判 520頁 上製
定価 14,000円+税
ISBN 978-4-305-70855-7 C0095
在庫あり
奥付の初版発行年月 2018年01月 書店発売日 2017年12月27日 登録日 2017年12月08日
物語が抱える「幻想」とどのように向きあうか。
作者名が明記される漢詩文や歌と異なり、物語は、作者とは別に設定された「語り手」が語ることが建前の、現実とは切り離された虚構的存在である。「作者」の存在そのものは直接には見えてこない。いわば物語自体が「幻想」を抱えている。また一方、老人を語り手に設定することで叙述そのものが相対化されて幻想は深まり、物語は自在性を獲得した。
物語と作者、老者の語りを主題に、枕草子・源氏物語・寝覚物語を読み解いてきた著者の集大成!
【目次】
幻想の平安文学─序に代えて
Ⅰ 枕草子
Ⅱ 源氏物語
Ⅲ 寝覚物語
Ⅳ 物語と作者
Ⅴ 書評・紹介
初出一覧/あとがき
嘗て『源氏物語と老い』(笠間書院 1995・5 笠間叢書284)と題する一書を纒めたことがある。或る意味で本書はその延長線上に在るかもしれない。やはり多くを、「老い」という主題に負っているからである。...『枕草子』は多少趣きが異なるが、本書に取り上げた『源氏物語』『寝覚物語』もこの例として位置づけられよう。「物語」というものは概ね老者の語りという体裁をとることなど、一層その観が強い。また現実に手に取る事ができるテキストからすればほとんどが原著ではなく幾度もの書写を重ねたものであるから、これも言ってみれば非在である。当たり前のことながらこうした幻想ともいうべき方法の内部に、いかに力強い生命が躍動しているか、を問うたのが此の書名のささやかな所以である。
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