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 コレクション日本歌人選 5

京極為兼

石澤一志(著)

四六判  122頁 並製
定価 1,200円+税
ISBN 978-4-305-70653-9 C0092
在庫あり

奥付の初版発行年月 2012年10月
書店発売日 2012年10月05日
登録日 2012年09月13日

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解説

うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、京極為兼です。

紹介

日本の代表的歌人の秀歌を堪能するアンソロジー「コレクション歌人選」(3期・全60冊)。ことば遣いより心を重視する、京極為兼。

うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、京極為兼です。

物の本質を捉え、
新しいことばで表現した
「京極派」の清心な歌は、
現代にも通じる魅力を放つ。

京極為兼(きょうごくためかね)
和歌の家としての御子左家は、為家の死後、二条・京極・冷泉の三家に分裂する。中で、伝統的な「ことば(詞)」を偏重し、旧態依然とした既存の歌風に飽きたらず、「心」の働きを尊重し、自由なことば遣いによる、新しい和歌を提唱したのが、京極為兼である。伏見院の下、為兼の考えに同調した歌人たちを「京極派」と呼び、その和歌は清新な魅力をたたえ、『玉葉集』『風雅集』という二つの勅撰集に結実して、ひときわ異彩を放つ。それらを領導した為兼自身の、和歌の世界に迫る。

目次

01 忘れずよ霞の間より洩る月のほのかに見てし夜半の面影
02 山桜はや咲きにけり葛城や霞をかけて匂ふ春風
03 秋来ぬと思ひもあえぬ荻の葉にいつしか変はる風の音かな
04 澄みのぼる月のあたりは空晴れて山の端遠く残る浮雲
05 山風にただよふ雲の晴れ曇りおなじ尾上に降る時雨かな
06 いかさまに身をつくしてか難波江に深き思ひのしるし見すべき
07 鳥の音ものどけき山の朝あけに霞の色は春めきにけり
08 梅の花紅にほふ夕暮に柳なびきて春雨ぞふる
09 思ひそめき四つの時には花の春はるのうちにも曙の空
10 思ひやるなべての花の春の風この一本の恨みのみかは
11 回りゆかば春にはまたも逢ふとても今日の今宵は後にしもあらじ
12 月残る寝覚の空の時鳥さらに起き出でて名残をぞ聞く
13 枝にもる朝日の影の少なさに涼しさ深き竹の奥かな
14 露重る小萩が末はなびき臥して吹き返す風に花ぞ色添ふ
15 いかなりし人の情か思ひ出づる来し方語れ秋の夜の月
16 心とめて草木の色も眺めおかむ面影にだに秋や残ると
17 冴ゆる日の時雨の後の夕山に薄雪降りて雲ぞ晴れ行く
18 閨の上は積れる雪に音もせで横ぎる霰窓叩くなり
19 木の葉なき空しき枝に年暮れて又芽ぐむべき春ぞ近づく
20 とまるべき宿をば月にあくがれて明日の道行く夜半の旅人
21 旅の空雨の降る日は暮れぬかと思ひて後も行くぞ久しき
22 さらにまた包みまさると聞くからに憂さ恋しさも言はずなる頃
23 恨み慕ふ人いかなれやそれはなほ逢ひみて後の憂へなるらん
24 人も包み我も重ねて問ひがたみ頼めし夜半はただ更けぞ行く
25 待つことの心に進む今日の日は暮れじとすれやあまり久しき
26 訪はむしも今は憂しやの明け方も待たれずはなき月の夜すがら
27 時の間も我に心のいかがなるとただ常にこそ問はまほしけれ
28 泣く泣くも人を恨むと夢に見てうつつに袖をげに濡らしぬる
29 折々のこれや限りも幾思そのあはれをば知る人もなし
30 言の葉に出でし恨みは尽き果てて心にこむる憂さになりぬる
31 波の上に映る夕日の影はあれど遠つ小島は色暮れにけり
32 山風は垣ほの竹に吹き捨てて峰の松よりまた響くなり
33 空しきを極め終りてその上に世を常なりとまた見つるかな
34 頼むべき神と現はれ身となれりおぼろけならぬ契りなるべし
35 足引の山の白雪消ぬがうへに春てふ今日は霞たなびく
36 沈み果つる入日の際にあらはれぬ霞める山のなほ奥の峰
37 鶯の声ものどかに鳴きなして霞む日影は暮れむともせず
38 梅が香は枕にみちて鶯の声より明くる窓のしののめ
39 淋しさは花よいつかの眺めして霞に暮るる春雨の空
40 ひとしきり吹き乱しつる風はやみて誘わぬ花も長閑にぞ散る
41 夏浅き緑の木立庭遠み雨降り染むる日暮の宿
42 松をはらふ風は裾野の草に落ちて夕立つ雲に雨きほふなり
43 秋風に浮雲高く空澄みて夕日になびく岸の青柳
44 庭の虫は鳴きとまりぬる雨の夜の壁に音するきりぎりすかな
45 朝嵐の峯よりおろす大井河浮きたる霧も流れてぞゆく
46 降り晴るる庭の霰は片寄りて色なる雲に空ぞ暮れゆく
47 思ひけりと頼みなりての後しもぞはかなき事も人よりは憂き
48 大空にあまねくおほふ雲の心国土うるふ雨下すなり
49 大井川遙かに見ゆる橋の上に行く人すごし雨の夕暮
50 見るとなき心にもなほあたりけり向かふ砌の松の一本
歌人略伝
略年譜
解説「「京極派」と歌人・京極為兼」(石澤一志)
読書案内
【付録エッセイ】京極派和歌の盛衰(井上宗雄)

著者プロフィール

石澤一志(イシザワ カズシ)
1968年神奈川県生。鶴見大学大学院単位取得修了。博士(文学)。現在 目白大学社会学部専任講師。主要著書『伏見院御集[広沢切]伝本・断簡集成』(共著、笠間書院)『日本の書と紙 古筆手鑑『かたばみ帖』の世界』(共著、三弥井書店)

上記内容は本書刊行時のものです。

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