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 コレクション日本歌人選 4

大伴旅人

中嶋真也(著)

四六判  116頁 並製
定価 1,200円+税
ISBN 978-4-305-70641-6 C0092
在庫あり

奥付の初版発行年月 2012年09月
書店発売日 2012年09月07日
登録日 2012年08月13日

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重版情報


3刷 出来予定日: 2019年04月16日

紹介

新元号「令和」の出典場面『梅花宴』について
本文&付録で詳しく解説!

うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、大伴旅人です。

日本の代表的歌人の秀歌を堪能するアンソロジー「コレクション歌人選」(3期・全60冊)。還暦を過ぎ活躍した万葉歌人、大伴旅人。

私が万葉歌人の中で、作風からして
最も好ましく思うのは旅人である。
大岡信

大伴旅人(おおとものたびと)
天皇直近で軍事に携(たずさ)わった名門の家柄である大伴氏の族長で、大納言にまで昇進した歌人。家持の父でもある。『万葉集』におよそ七十首の歌を残すが、それらはいずれも還暦を過ぎてからの詠である。旅人は大宰府長官として赴任し、山上憶良らと文学的な交流を深めた。大宰府で妻を亡くし、都への思いも強くなっている時期に、悲しみに浸るだけではなく、部下と良好な人間関係を築き上げていたことが歌からうかがえる。実年齢を感じさせない、瑞々(みずみず)しい感性が旅人の歌には溢れている。

目次

01 昔見し象の小河を今見ればいよよ清けくなりにけるかも
02 橘の花散る里のほととぎす片恋しつつ鳴く日しそ多き
03 うつくしき人の纒きてし敷妙の吾が手枕を纒く人あらめや
04 世の中は空しきものと知る時しいよよますます悲しかりけり
05 竜の馬も今も得てしかあをによし奈良の都に行きて来むため
06 やすみしし吾が大王の食す国は日本も此間も同じとそ念ふ
07 いざ児等香椎の潟に白妙の袖さへ濡れて朝菜摘みてむ
08 隼人の瀬戸の磐も年魚走る芳野の滝になほ及かずけり
09 湯の原に鳴く蘆鶴は吾が如く妹に恋ふれや時わかず鳴く
10 君がため醸みし待酒安の野に独りや飲まむ友無しにして
11 吾が盛りまたをちめやもほとほとに寧楽の京を見ずかなりなむ
12 吾が命も常にあらぬか昔見し象の小河を行きて見むため
13 吾が行きは久にはあらじ夢のわだ湍にはならずて淵にしありこそ
14 験なき物を念はずは一坏の濁れる酒を飲むべくあるらし
15 賢しみと物言ふよりは酒飲みて酔哭するしまさりたるらし
16 価なき宝と言ふとも一坏の濁れる酒にあに益さめやも
17 今代にし楽しくあらば来生には虫に鳥にも吾はなりなむ
18 いかにあらむ日の時にかも声知らむ人の膝の上我が枕かむ
19 言問はぬ樹にはありともうるはしき君が手慣れの琴にしあるべし
20 吾が園に梅の花散る久方の天より雪の流れ来るかも
21 吾が盛りいたくくたちぬ雲に飛ぶ薬食むともまたをちめやも
22 残りたる雪にまじれる梅の花早くな散りそ雪は消ぬとも
23 松浦河川の瀬早み紅の裳の裾濡れて鮎か釣るらむ
24 人皆の見らむ松浦の玉島を見ずてや我は恋ひつつ居らむ
25 吾が岳にさを鹿来鳴く初萩の花妻問ひに来鳴くさを鹿
26 沫雪のほどろほどろに零り敷けば平城の京し念ほゆるかも
27 吾が岳に盛りに咲ける梅の花遺れる雪を乱へつるかも
28 還るべく時はなりけり京師にて誰が手本をか吾が枕かむ
29 日本道の吉備の児島を過ぎて行かば筑紫の子島念ほえむかも
30 大夫と念へる吾や水茎の水城の上に泣拭はむ
31 吾妹子が見し鞆の浦の天木香の木は常世にあれど見し人そなき
32 鞆の浦の磯の室の木見むごとに相見し妹は忘らえめやも
33 妹と来し敏馬の崎を還るさに独りし見れば涙ぐましも
34 人もなき空しき家は草枕旅に益りて苦しかりけり
35 妹として二人作りし吾が山斎は木高く繁くなりにけるかも
36 ここにありて筑紫やいづち白雲の棚引く山の方にしあるらし
37 草香江の入江に求食る蘆鶴のあなたづたづし友無しにして
38 吾が衣人にな著せそ網引する難波壮士の手には触るとも
39 指進の栗栖の小野の芽花散らむ時にし行きて手向けむ
歌人略伝
略年譜
解説「人間旅人の魅力」(中嶋真也)
読書案内
【付録エッセイ】梅花の宴の論(抄)(大岡信)

著者プロフィール

中嶋真也(ナカジマシンヤ)
1973年千葉県生。上智大学卒業。東京大学大学院博士課程修了。現在 駒澤大学准教授。博士(文学)。主要論文「『心もしのに』考」(「国語と国文学」第80巻第8号)「月と譬喩—満誓『月歌』を中心に—」(「美夫君志」72号)「『万葉集』の平城京」(「国語と国文学」第87巻第11号)「『古事記』因幡の白兎」(『鳥獣虫魚の文学史 日本古典の自然観1 獣の巻』、三弥井書店)

上記内容は本書刊行時のものです。

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