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 コレクション日本歌人選 4

寺山修司

葉名尻 竜一(著)

四六判  118頁 並製
定価 1,200円+税
ISBN 978-4-305-70640-9 C0092
在庫あり

奥付の初版発行年月 2012年03月
書店発売日 2012年03月08日
登録日 2012年02月10日

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書評情報

2017-05-07 東京新聞/中日新聞 
2013-02-24 日本経済新聞 

解説

うたの森に、ようこそ。柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、寺山修司です。

紹介

日本の代表的歌人の秀歌を堪能するアンソロジー「コレクション歌人選」(3期・全60冊)。戦後に活躍した前衛歌人、寺山修司。

うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、寺山修司です。

現実の死に先立って
言語によって自分自身を殺すことで、
彼は誕生し、生きた。
そこからしか彼は生きる力を得ることができなかった。 谷川俊太郎

寺山修司 てらやましゅうじ
戦後の短歌世界に奔放多彩な才能で斬り込み、その後様々な分野を席巻して軽やかに通り過ぎていった前衛歌人。従来の短歌的概念や抒情のあり方に背を向け、既成俳句の表現を換骨奪胎させるなど、その新手法によって生みだされる伸縮自在な〈われ〉を、華麗なイマージュで開陳した。東国の片田舎から出て来た一青年が、日本の近代短歌が開拓した短歌的抒情の世界に激震を走らせて去った魅力は、今もなお健在で新鮮さを失っていない。

目次

01 そら豆の殻一せいに鳴る夕母につながるわれはソネット
02 海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手をひろげていたり
03 とびやすき葡萄の汁で汚すなかれ虐げられし少年の詩を
04 煙草くさき国語教師が言うときに明日という語は最もかなし
05 ころがりしカンカン帽を追うごとくふるさとの道駆けて帰らむ
06 ふるさとの訛りなくせし友といてモカ珈琲はかくまでにがし
07 駆けてきてふいにとまればわれをこえてゆく風たちの時を呼ぶ声
08 空にまく種子選ばむと抱きつつ夏美のなかにわが入りゆく
09 太陽のなかに蒔きゆく種子のごとくしずかにわれら頬燃ゆるとき
10 チエホフ祭のビラのはられし林檎の木かすかに揺るる汽車過ぐるたび
11 向日葵は枯れつつ花を捧げおり父の墓標はわれより低し
12 アカハタ売るわれを夏蝶越えゆけり母は故郷の田を打ちていむ
13 夏蝶の屍をひきてゆく蟻一匹どこまでゆけどわが影を出ず
14 群衆のなかに故郷を捨ててきしわれを夕陽のさす壁が待つ
15 マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや
16 きみのいる刑務所とわがアパ—トを地中でつなぐ古きガス管
17 麻薬中毒重婚浮浪不法所持サイコロ賭博われのブルース
18 わが母音むらさき色に濁る日を断崖にゆく涜るるために
19 アルコオル漬けの胎児がけむりつつわが頭のなかに紫陽花ひらく
20 わがカヌーさみしからずや幾たびも他人の夢を川ぎしとして
21 一本の樫の木やさしそのなかに血は立ったまま眠れるものを
22 海のない帆掛船ありわが内にわれの不在の銅鑼鳴りつづく
23 壁となる前のセメント練り箱にさかさにわれの影埋ずめらる
24 きみが歌うクロッカスの歌も新しき家具の一つに数えむとする
25 乾葡萄喉より舌へかみもどし父となりたしあるときふいに
26 目の前にありて遙かなレモン一つわれも娶らむ日を怖るなり
27 大工町寺町米町仏町老母買ふ町あらずやつばめよ
28 売りにゆく柱時計がふいに鳴る横抱きにして枯野ゆくとき
29 間引かれしゆゑに一生欠席する学校地獄のおとうとの椅子
30 生命線ひそかに変へむためにわが抽出しにある 一本の釘
31 たつた一つの嫁入道具の仏壇を義眼のうつるまで磨くなり
32 売られたる夜の冬田へ一人来て埋めゆく母の真赤な櫛を
33 無産の祖父は六十三 番地は四五九で死方より 風吹き来たる 仏町 電話をひけば 一五六四 隣りへゆけば 八八五六四 庭に咲く花七四の八七 荷と荷あはせて 死を積みて 家を出るとも 憑きまとふ 数の地獄は 逃がれ得ぬ! 
いづこへ行くも みな四五九 地獄死後苦の さだめから 名無し七七四の 旅つづき 三味線抱きて 日没の 赤き人形になりゆく
かなしき父の 手中淫 その一滴にありつけぬ われの離郷の日を思へ ふたたび帰ることのなき わが漂泊の 顔を切る つばくらめさへ 九二五一四 されど九二なき家もなきわれは唄好き 念仏嫌ひ 死出の山路を 唄ひゆかむか
34 子守唄義歯もて唄ひくれし母死して炉辺に義歯をのこせり
35 見るために両瞼をふかく裂かむとす剃刀の刃に地平をうつし
36 かくれんぼの鬼とかれざるまま老いて誰をさがしにくる村祭
37 わが息もて花粉どこまでとばすとも青森県を越ゆる由なし
38 寿命来て消ゆる電球わがための「過去は一つの母国」なるべし
39 人生はただ一問の質問にすぎぬと書けば二月のかもめ

歌人略伝
略年譜
解説「世界の涯(はて)にある〈われ〉」(葉名尻竜一)
読書案内
【付録エッセイ】
五月の死(谷川俊太郎)/「母さんと暮らしてみよう」(抄)・「生まれてこなかった赤ちゃん」(抄)(九條今日子)

著者プロフィール

葉名尻 竜一(ハナジリ リュウイチ)
1970年名古屋市生。立正大学大学院博士課程単位取得。現在 立正大学非常勤講師・國學院大学久我山中学高等学校非常勤講師ほか。
主要論文「寺山修司の〈机〉と平田オリザの〈机です〉」(『寺山修司研究』vol.3)「寺山修司・演劇への入口①②」(「立正大学国語国文」)「坂口安吾と演劇」(「国文学 解釈と鑑賞」)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

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