【笠間文庫】原文&現代語訳シリーズ
池田 利夫(著)
四六判 276頁
定価 1,500円+税
ISBN 978-4-305-70419-1 C0395
品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 2006年09月 書店発売日 2006年09月01日
異色の輝きを放つ王朝の短編物語集。全文を、この一冊に凝縮。王朝物語の系譜ながら、近代的な機知と諧謔に富む、洗練された味わいを持つ。現代語訳対照・類黎歌合注解・解説・和歌初二句索引・論評付き
今改めて問う。
堤中納言物語は、我々に何を呼びかけているのか。
川端康成は言っている。
平安末期の物語であるが、その精神と形式とにおいて、
他の同時代物語を圧して、次代の新興文学に呼びかけている点では、
文学史上注目すべき作品だ。
昭和初期の国文学界の鬼才、藤岡作太郎は、
「虫めづる姫君」の作者がもし女性であるとするなら、
よほど精神のしっかりした、教養のある時代に先んじた婦人ではなかったか、と語った。