古典ライブラリー
王朝まどろみ論
高橋 文二(著)
四六判 344頁
定価 2,136円+税
ISBN 978-4-305-60036-3 C3395
品切れ・重版未定
奥付の初版発行年月 1995年05月 書店発売日 1995年05月01日 登録日 2010年02月18日
解説
王朝文学の特質を日本固有の「まどろみ」的な状況から読み解いてゆく。例えば待つことに生きた女流作家の「夜と昼」「この世と常世」重層する時空間を、照射した論考と折口信夫の「重層的な視点」に迫る。
紹介
王朝文学の特質を日本固有の「まどろみ」的な状況から読み解いてゆく。例えば待つことに生きた女流作家の「夜と昼」「この世と常世」重層する時空間を、照射した論考と折口信夫の「重層的な視点」に迫る。
女流文学の作者たちは日常の、男たちを待つ時間にあっても、神仏との出会いを待つ参篭の時間にあっても、しばしば、「まどろみ」の状態に入った。「まどろみ」の中で育った王朝女流文学の想像力を読み解く。
目次
第一部 王朝仮名文学の世界一 王朝まどろみ論−女流文学一面−二 王朝仮名文学世界の精神的基盤−慰籍と執としての「自然」−三 『蜻蛉日記』の風景描写と女の立場四 描かれない風景−『更級日記』小見−五 王朝女流日記文学の喪失と成熟六 『土佐日記』小見−貫之の歌の時間性と空間性をめぐって−七 「あくがるる心」と鎮魂八 「読歌(よみうた)」の系譜−「古代歌謡」と『源氏物語』−九 場(ヽ)所(ヽ)としての地名から象(ヽ)徴(ヽ)としての地名へ−「歌物語」の視座から−十 物語の時空十一 『源氏物語』の原風景−鬼と狐と稲荷のことなど−第二部 折口信夫ノート一 重層する視点二 折口信夫の感性と言語表現をめぐって三 折口信夫の視座と物語研究
著者プロフィール