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 JunCture 0

JunCture(ジャンクチャー) 超域的日本文化研究 第8号 特集:文化に媒介された環境問題

名古屋大学「アジアの中の日本文化」研究センター(編)

B5判  260頁 並製
定価 1,800円+税
ISBN 978-4-305-00298-3 C0095
在庫あり

奥付の初版発行年月 2017年03月
書店発売日 2017年03月27日
登録日 2017年02月27日

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紹介

名古屋大学「アジアの中の日本文化」研究センターが刊行する機関誌、『JunCture(ジャンクチャー) 超域的日本文化研究』第8号。[※JunCtureというタイトルには、日本文化を、学際的かつ国際的な研究課題の結節点(juncture)として捉えようという意味合いが込められています。]

学問のグローバル化という現代的な課題に対応するために、何をどう発信していくのか。一国主義的・自国中心的な意識や方法をいかに克服していくか。それらに具体的に取り組んでいく、実践の書です。

特集巻頭メッセージより。
【環境問題はどう感じられ、想像され、対処されてきたのか。アントロポセン──自然に対する人間の複雑な媒介──と言われる時代の地球規模のエコロジー的連関を東アジアの視点からどう考えることができるか。
 2016年7月30–31日の2日間にわたって私たちは、こうした問題を掲げながらシンポジウム「文化に媒介された環境問題──東アジア関係学のエコロジー的探究/Culturally Mediated Environmental Issues: Ecological Connectedness in East Asia」(日英同時通訳)を行った。地球温暖化、大気汚染、ゴミ、遺伝子組換え食品・化学添加物、放射能、土地開発、種の絶滅、災害…。環境問題が、ヒューマンとノンヒューマンの別を問わず地球上のあらゆる生き物にとって喫緊の課題になっているのは周知の通りである。その一方、ともすると環境問題は自然科学、経済、政治が対処すべき問題であり、そこに文化が分かち難く結びついていることが認識されにくい状況があった。環境問題が、水・空気・土壌からあらゆる生き物の身体にいたるまで物質的・物理的な問題であることは明らかだが、同時に私たちはそれを科学、メディア、芸術、日常生活、社会運動などの文化的実践を媒介にして認識していることを忘れるべきではないだろう。つまるところ、現実的に差し迫る環境問題は、一つの学術領域だけでは対処できるものではなく、学際的で多様な見地から検討され議論されることなしには太刀打ちできないものである。本シンポジウムはささやかではあるが、東アジアに焦点を合わせつつ、人文社会科学の立場から環境問題の認識や実践に文化がいかに介在しているかについて歴史的・現在的状況を検証しながら、この問題をめぐる学際的かつ国際的な議論に貢献することを目指した。
 シンポジウムは、「新世代パネル:共生と軋轢」に続いて、「文学・映像のエコロジー的想像力」と「環境社会の交渉」という2つのセッションから構成された(本号「JACRC事業報告」を参照)。新世代パネルでは、4人の若手研究者がそれぞれ、東アジアにおける人口減少、日本の緑地保全活動、現代日本文学における東日本大震災の表象(本号「研究論文」に修正版掲載)、そして河瀨直美映画における女性とエコロジーの表象について口頭発表し、ディスカッサントのコメントをもとに質疑応答を行った。2つのセッションでは、各3つの研究発表が行われたが、1つを除きそれらすべてが、それぞれ加筆・修正の上で本特集に収められている(朱翹瑋の研究発表については、発表者の希望により別の論考を掲載している)。各セッションでは、ディスカッサントのコメントをもとに1時間の議論を行い、さらにシンポジウムの最後には100名近い来場者も交えて2時間にわたる全体討論を行った。
 本企画は、さまざまな方々、組織からの支援により実現した。シンポジウムはハーバード・イェンチン研究所から多額の助成金を受けた。中国の浙江大学に共催者として協力していただき、当大学の准教授・王建剛氏に参加していただいた。早稲田大学の金井景子氏には新世代パネル、金沢大学の結城正美氏には第1セッション、名古屋大学環境学研究科の青木聡子氏には第2セッションのディスカサントを担当していただいた。新世代パネルでは、学外からクリストフ・ルプレヒト氏(総合地球環境学研究所)と高瀬唯氏(日本学術振興会特別研究員・千葉大学)に報告していただいた。これらの方々、さらにはシンポジウムの運営を支えてくださった通訳者とデザイナーの方々、事務職員、大学院生たち、そして当日会場にお越しいただいたすべての方々に心よりの謝意を表したい。】(文責・藤木秀朗)

目次

●landschaft #9, 2016
村上将城

特集:文化に媒介された環境問題

●序
藤木秀朗

●「南島」から「シマ」へ―崎山多美の文学における島嶼共同体と女性
喜納育江

●『わが愛しのハイヒール』(2010)から『無用』(2007)に見る衣服
―トランスナショナル・ドキュメンタリーにおける「相互連関」とエコクリティシズムの問題
朱翹瑋(梶川瑛里・藤木秀朗訳)

●アントロポセンの脱自然化―3.11原発災害後のドキュメンタリーによるランドスケープ、動物、場(所)
藤木秀朗

●方法としての環境アクティヴィズム―日本の人間中心的環境主義
サイモン・アヴェネル(大﨑晴美訳)

●韓国における脱原発運動―福島原発災害の以前と以後
ユン・スンジン(中根若恵・藤木秀朗訳)

●から騒ぎ―台湾における路地裏生活、住まう倫理、暮らしの環境主義
莊雅仲(名取雅航・藤木秀朗訳)

研究論文

●1930年代のニューヨークの邦人美術展覧会―日米外交政策を背景にして
佐藤麻衣

●川端康成「雪国」論―「天の河」句と連環する物語
藤田祐史

●対話を触発するドキュメンタリー―60年代学生運動映画の表現様式をめぐって
洞ヶ瀬真人

●東映ポルノのジェンダー・ポリティクス―1970年代の日本映画と女性
王温懿

●聖と俗のせめぎ合い―村上春樹のアトス巡礼記「アトス─神様のリアル・ワールド」論
王静

●「非当事者」にできること―東日本大震災以後の文学にみる被災地と東京の関係
加島正浩

●越境する『花とゆめ』―羅川真里茂と椿いづみの少女漫画によるジェンダー・トラブル
大木龍之介

レヴュー

●シュルレアリスムの未来―前衛文化と大衆文化のあいだで
  Gavin Parkinson's Futures of Surrealism:
  Myth, Science Fiction and Fantastic Art in France 1936–1969
松井裕美

●自然科学と向き合う
川合大輔著『土田杏村の思想と人文科学―一九一〇年代日本思想史研究』
牧千夏

●土に触れ、鳥を見上げる
あいちトリエンナーレ2016 虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅
横山由季子

●映画保全のフェスティバル
ナイトレート・ピクチャー・ショー
小川翔太

●蘇った非対象の道
恩地孝四郎展
栗田秀法

●場所の不確かさと向き合う
「場所の目録」展
貴家映子

●集団の記憶、個人の記憶
第四回「東アジアと同時代日本語文学フォーラム」
尹芷汐

●英文要旨
 ●JACRCについて
 ●JACRC事業報告(2016年4月−2017年1月)
●著者紹介
●原稿募集+投稿規定
●バックナンバー(『JunCture』01号−07号)
●編集後記

著者プロフィール

名古屋大学「アジアの中の日本文化」研究センター(ナゴヤダイガクアジアノナカノニホンブンカケンキュウセンター)

上記内容は本書刊行時のものです。

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