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文豪東京文学案内

田村 景子(編著) / 小堀 洋平(著) / 田部 知季(著) / 吉野 泰平(著)

四六判  376頁 並製
定価 1,800円+税
ISBN 978-4-305-70954-7 C0095
在庫あり

書店発売日 2022年04月27日
登録日 2022年03月07日

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解説

明治、大正、昭和と、時代とともに激しい変化を遂げていく「東京」と、その影響を受けながら名作を生みだしてきた文豪たちの姿を描く。当時の東京をリアルに感じられる地図も掲載。

紹介

明治、大正、昭和と激しい変化を遂げていく「東京」と、その影響を受けながら名作を生みだしてきた文豪たちの姿を描く。地図も掲載。

江戸が東京に変わると、郊外だった新宿や渋谷は住宅地になっていき、華やかな文化が生まれ、地方からも人が集まってきた。その中には、宮沢賢治や正岡子規、太宰治など、のちの文豪たちも含まれていた。一方、夏目漱石や永井荷風など生粋の「東京っ子」は、足元から時代の変化を感じることになる。
大学になじめなかった芥川龍之介が、思慕と追憶の思いに耽った「隅田川の水」。当時最先端の自転車で東京中を走り回った志賀直哉が見つめた格差社会。萩原朔太郎、宇野千代、川端康成らが集った「馬込文士村」。江戸川乱歩を惹きつけた怪奇と幻想の浅草。坂口安吾の作風を変化させた東京大空襲。
明治、大正、昭和と、時代とともに激しい変化を遂げていく「東京」と、その影響を受けながら名作を生みだしてきた文豪たちの姿を描く。項目ごとに当時の東京をリアルに感じられる地図も掲載。

【目 次】
はじめに

第1部 東京の成立
山から郊外へ、郊外から町へ 島崎藤村の東京
友情と痴情の牛込と小石川 近松秋江の東京
生家と山房と火葬場をつなぐもの 夏目漱石の東京
公職と家庭を結ぶもの 森鷗外の東京
山の手の郊外から、大川の水を思う 芥川龍之介の東京
貧しさに縛られる人々の街 樋口一葉の東京
短歌で写し取った東京の息吹 正岡子規の東京
武蔵野の落葉樹林、大東京の片隅 国木田独歩の東京
江戸と東京を見つめる探偵の眼 岡本綺堂の東京


第2部 東京の百年
発展する「帝都」、その中を歩む人々 田山花袋の東京
宿命的な「故郷」、その下宿屋とアパートで 正宗白鳥の東京
「平民的」な場所へ、「優越人種」を避けて 永井荷風の東京
移ろいゆく東京の川辺で 幸田露伴・幸田文の東京
幻想の作家は現実の東京に暮らした 泉鏡花の東京
雑誌『ホトトギス』の成長とともに 高浜虚子の東京

第3部 関東大震災の前後
東京土産の大きなトランクに理想郷イーハトヴの童話をつめこんで 宮沢賢治の東京 
東京地図を忍ばせ、東京の雑沓に幻想の「猫町」を探す 萩原朔太郎の東京
「小説の神様」は、東京を疾駆した 志賀直哉の東京
たえざる旅行者は「きたない美しさ」への好奇心を描く 川端康成の東京
「木のある都」、そして「苦の世界」 宇野浩二の東京
青春時代の饗宴、「大東京」を離れた田園 北原白秋の東京
台地の合間と銀座の裏町 横光利一の東京
東京ヲコンナ浅マシイ乱脈ナ都会ニシタノハ誰ノ所業ダ 谷崎潤一郎の東京
浅草の木馬は廻るガラガラ、ゴットン、ガラガラ、ゴットン 江戸川乱歩の東京
消えることのない「東京地図」の記憶 佐多稲子の東京

第4部 東京大空襲と戦後
空漠たる「東京」が、猛火を噴き上げた夜 坂口安吾の東京
荻窪の朝霧、武蔵野の夕陽 太宰治・井伏鱒二の東京
地方と都市が交差する点 松本清張の東京
匿名都市への解放 安部公房の東京
私は自由に生きて行く 宇野千代の東京

おわりに

目次

【目 次】
はじめに

第1部 東京の成立
山から郊外へ、郊外から町へ 島崎藤村の東京
友情と痴情の牛込と小石川 近松秋江の東京
生家と山房と火葬場をつなぐもの 夏目漱石の東京
公職と家庭を結ぶもの 森鷗外の東京
山の手の郊外から、大川の水を思う 芥川龍之介の東京
貧しさに縛られる人々の街 樋口一葉の東京
短歌で写し取った東京の息吹 正岡子規の東京
武蔵野の落葉樹林、大東京の片隅 国木田独歩の東京
江戸と東京を見つめる探偵の眼 岡本綺堂の東京


第2部 東京の百年
発展する「帝都」、その中を歩む人々 田山花袋の東京
宿命的な「故郷」、その下宿屋とアパートで 正宗白鳥の東京
「平民的」な場所へ、「優越人種」を避けて 永井荷風の東京
移ろいゆく東京の川辺で 幸田露伴・幸田文の東京
幻想の作家は現実の東京に暮らした 泉鏡花の東京
雑誌『ホトトギス』の成長とともに 高浜虚子の東京

第3部 関東大震災の前後
東京土産の大きなトランクに理想郷イーハトヴの童話をつめこんで 宮沢賢治の東京 
東京地図を忍ばせ、東京の雑沓に幻想の「猫町」を探す 萩原朔太郎の東京
「小説の神様」は、東京を疾駆した 志賀直哉の東京
たえざる旅行者は「きたない美しさ」への好奇心を描く 川端康成の東京
「木のある都」、そして「苦の世界」 宇野浩二の東京
青春時代の饗宴、「大東京」を離れた田園 北原白秋の東京
台地の合間と銀座の裏町 横光利一の東京
東京ヲコンナ浅マシイ乱脈ナ都会ニシタノハ誰ノ所業ダ 谷崎潤一郎の東京
浅草の木馬は廻るガラガラ、ゴットン、ガラガラ、ゴットン 江戸川乱歩の東京
消えることのない「東京地図」の記憶 佐多稲子の東京

第4部 東京大空襲と戦後
空漠たる「東京」が、猛火を噴き上げた夜 坂口安吾の東京
荻窪の朝霧、武蔵野の夕陽 太宰治・井伏鱒二の東京
地方と都市が交差する点 松本清張の東京
匿名都市への解放 安部公房の東京
私は自由に生きて行く 宇野千代の東京

おわりに

著者プロフィール

田村 景子(タムラ ケイコ)
田村景子
1980年群馬県前橋市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。早稲田大学大学院博士後期課程修了。博士(学術)。現在、和光大学准教授。主な著書に『三島由紀夫と能楽―「近代能楽集」、または堕地獄者のパラダイス』(勉誠出版)、編・共著に『文豪たちの住宅事情』(笠間書院)、監修本として『文豪の家』『文豪の風景』(エクスナレッジ)など。
小堀 洋平(コボリ ヨウヘイ)
小堀洋平
1986年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。同大学助手・次席研究員(研究院講師)、皇學館大学助教・准教授を経て、現在和洋女子大学准教授。主な著書に『田山花袋 作品の形成』(翰林書房)、共著に『文豪たちの住宅事情』(笠間書院)。
田部 知季(タベ トモキ)
田部知季
1989年宮城県生まれ。早稲田大学文学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員DC1、同PDを経て、現在、早稲田大学講師(任期付)。共著に『文豪たちの住宅事情』(笠間書院)、主な論文に「明治俳壇の喧囂な終局―虚子の俳壇復帰とその時代―」(『日本近代文学』2020.11)など。
吉野 泰平(ヨシノ タイヘイ)
吉野泰平
1990年静岡県生まれ。早稲田大学文学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、早稲田大学、明治大学、昭和女子大学非常勤講師。共著書に『文豪たちの住宅事情』(笠間書院)、『〈戦後文学〉の現在形』(平凡社)、主な論文に「松本清張『日本の黒い霧』における複数性を生かす議論の可能性」(『学苑』2022.3)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

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