和歌史の基点 柿本人麻呂を読み解く 文字による表現が生み出す詩的世界
藤川隼人(著)
四六判 292頁 並製
定価 2,000円+税
ISBN 978-4-305-71071-0 C0095
在庫あり
書店発売日 2026年03月04日 登録日 2026年01月07日
解説
柿本人麻呂こそ、作品を通じてそうした変化を先導し、和歌表現の幅を大きく広げた立役者だった。人麻呂の和歌を掘り下げることで、和歌史の発展に果たした重要な役割や歌人としての実像に迫る。
紹介
柿本人麻呂の和歌を掘り下げることで、和歌史の発展に果たした重要な役割や歌人としての実像に迫る。
日本の文芸史を代表する歌人でありながら、謎も多い柿本人麻呂。
彼が生きた時代は、ちょうど古代の歌謡から五七五七七という定型をもった和歌が確立され、一方で漢字という外来の文字を使った表現が成立するという、文芸における大きな変化の時期だった。
実は人麻呂こそ、作品を通じてそうした変化を先導し、和歌表現の幅を大きく広げた立役者だったのでは?
本書ではそんな考えに立ち、人麻呂の和歌を掘り下げることで、和歌史の発展に果たした重要な役割や歌人としての実像に迫る。
【目 次】
序 章 柿本人麻呂という歌人と文字による歌づくり
第一編 人麻呂の文字による歌づくりを論ずるために(その前提)
第一章 人麻呂の時代までの日本語とその文字表記の歩み
一 口承文芸の発生からその文字化の時代を迎えるまで
二 日本語(やまと言葉)と漢字という外来文字との接点と関係の深まり
三 人麻呂の生きた時代の漢字を使った日本語の文字化の状況
第二章 人麻呂による文字表記実践の意味(古事記との違い)
一 人麻呂の時代に始まった文芸の日本語による文字文献への取り組み
二 古事記における文字化への取り組みを序文の記述から読み解く
三 古事記の歴史記述と人麻呂の「文字の歌」への取り組みとの違い
第二編 どのように文字による歌づくりは進んだのか
第一章 いわゆる「人麻呂歌集」とその文字表記の取り組み
一 人麻呂歌集にみられる二種類の文字表記法について
二 人麻呂歌集・略体歌の文芸的な意味とは
三 人麻呂歌集・略体歌の特徴を象徴する歌の事例
第二章 人麻呂歌集の文字表記法の展開にみる文芸実践の意味
一 人麻呂歌集・歌に略体表記だけでなく非略体表記も実践された理由
二 人麻呂歌集・非略体歌が生まれた文芸的な意味とその後の展開
三 人麻呂歌集・歌が示す人麻呂の文芸表現の基盤となった「文字の力」
第三編 文字による表現によって文芸の質はいかに高められたか
第一章 文芸の世界を文字化するとはいかなることか
一 そもそも文芸の世界とは一体何を意味する言葉なのか
二 文芸の世界の文字化ということが意味するもの
三 人麻呂の漢字を使った文字表記の実践の意味
四 人麻呂の漢詩の学びと日本語による「文字の歌」への歩み
第二章 文字による表現によって実現した人麻呂の文芸実践
一 「人麻呂歌集」から「人麻呂作歌」への文字表記上の展開
二 人麻呂作歌は表記面のみならず歌の内容の面でも変化を促された
三 人麻呂の文字による創作が宮廷歌謡の表現にもたらしたもの
四 文字の力がもたらした人麻呂の宮廷歌謡の〈質〉を安騎野の歌、石見相聞歌にみる
第四編 宮廷歌人としての人麻呂が創造した表現世界とは
第一章 宮廷歌人であることが人麻呂の表現にもたらしたもの
一 宮廷歌人・人麻呂をいかに捉えるべきか
二 宮廷歌人であることが人麻呂にもたらした表現意識
三 典型的な宮廷歌謡の世界(吉野讃歌、近江荒都歌、草壁皇子挽歌)を味わってみる
四 典型的な宮廷歌謡以外の人麻呂が創造した作品世界について
第二章 人麻呂の献呈挽歌にみる宮廷歌謡の多彩な側面
一 献呈挽歌の主題と構成
二 宮廷挽歌としての献呈挽歌の特殊性とそれが発表された〈場〉について
三 宮廷歌人のあり方から献呈挽歌と〝声のうた〟の意味を読み解く
第五編 歌人・人麻呂の後半期(藤原京時代)にみる詩的な到達点
第一章 人麻呂後半期(藤原京時代)の叙述の深化
一 歌人・人麻呂の後半期とは
二 高市皇子挽歌とその特質
三 高市皇子挽歌にみる叙事的な叙述が意味するもの
第二章 明日香皇女挽歌にみる詩的な到達点とは
一 明日香皇女挽歌の表現面からの特質
二 明日香皇女挽歌での人麻呂の実践が意味するもの
第六編 歌の歴史から歌人・人麻呂を問う
第一章 人麻呂による古代歌謡の完成という歴史的な意味
一 人麻呂の詩的な到達点を歴史的に問う意味
二 人麻呂の「枕詞」の使用から読み取れる歴史的な達成
三 人麻呂は“声のうた”であった古代歌謡を「文字の力」で完成させた
第二章 歌人・人麻呂の実践とその後の和歌世界
引用文献
あとがき
目次
【目 次】
序 章 柿本人麻呂という歌人と文字による歌づくり
第一編 人麻呂の文字による歌づくりを論ずるために(その前提)
第一章 人麻呂の時代までの日本語とその文字表記の歩み
一 口承文芸の発生からその文字化の時代を迎えるまで
二 日本語(やまと言葉)と漢字という外来文字との接点と関係の深まり
三 人麻呂の生きた時代の漢字を使った日本語の文字化の状況
第二章 人麻呂による文字表記実践の意味(古事記との違い)
一 人麻呂の時代に始まった文芸の日本語による文字文献への取り組み
二 古事記における文字化への取り組みを序文の記述から読み解く
三 古事記の歴史記述と人麻呂の「文字の歌」への取り組みとの違い
第二編 どのように文字による歌づくりは進んだのか
第一章 いわゆる「人麻呂歌集」とその文字表記の取り組み
一 人麻呂歌集にみられる二種類の文字表記法について
二 人麻呂歌集・略体歌の文芸的な意味とは
三 人麻呂歌集・略体歌の特徴を象徴する歌の事例
第二章 人麻呂歌集の文字表記法の展開にみる文芸実践の意味
一 人麻呂歌集・歌に略体表記だけでなく非略体表記も実践された理由
二 人麻呂歌集・非略体歌が生まれた文芸的な意味とその後の展開
三 人麻呂歌集・歌が示す人麻呂の文芸表現の基盤となった「文字の力」
第三編 文字による表現によって文芸の質はいかに高められたか
第一章 文芸の世界を文字化するとはいかなることか
一 そもそも文芸の世界とは一体何を意味する言葉なのか
二 文芸の世界の文字化ということが意味するもの
三 人麻呂の漢字を使った文字表記の実践の意味
四 人麻呂の漢詩の学びと日本語による「文字の歌」への歩み
第二章 文字による表現によって実現した人麻呂の文芸実践
一 「人麻呂歌集」から「人麻呂作歌」への文字表記上の展開
二 人麻呂作歌は表記面のみならず歌の内容の面でも変化を促された
三 人麻呂の文字による創作が宮廷歌謡の表現にもたらしたもの
四 文字の力がもたらした人麻呂の宮廷歌謡の〈質〉を安騎野の歌、石見相聞歌にみる
第四編 宮廷歌人としての人麻呂が創造した表現世界とは
第一章 宮廷歌人であることが人麻呂の表現にもたらしたもの
一 宮廷歌人・人麻呂をいかに捉えるべきか
二 宮廷歌人であることが人麻呂にもたらした表現意識
三 典型的な宮廷歌謡の世界(吉野讃歌、近江荒都歌、草壁皇子挽歌)を味わってみる
四 典型的な宮廷歌謡以外の人麻呂が創造した作品世界について
第二章 人麻呂の献呈挽歌にみる宮廷歌謡の多彩な側面
一 献呈挽歌の主題と構成
二 宮廷挽歌としての献呈挽歌の特殊性とそれが発表された〈場〉について
三 宮廷歌人のあり方から献呈挽歌と〝声のうた〟の意味を読み解く
第五編 歌人・人麻呂の後半期(藤原京時代)にみる詩的な到達点
第一章 人麻呂後半期(藤原京時代)の叙述の深化
一 歌人・人麻呂の後半期とは
二 高市皇子挽歌とその特質
三 高市皇子挽歌にみる叙事的な叙述が意味するもの
第二章 明日香皇女挽歌にみる詩的な到達点とは
一 明日香皇女挽歌の表現面からの特質
二 明日香皇女挽歌での人麻呂の実践が意味するもの
第六編 歌の歴史から歌人・人麻呂を問う
第一章 人麻呂による古代歌謡の完成という歴史的な意味
一 人麻呂の詩的な到達点を歴史的に問う意味
二 人麻呂の「枕詞」の使用から読み取れる歴史的な達成
三 人麻呂は“声のうた”であった古代歌謡を「文字の力」で完成させた
第二章 歌人・人麻呂の実践とその後の和歌世界
引用文献
あとがき
著者プロフィール
藤川隼人(フジカワハヤト)
著者 藤川隼人早稲田大学文学部卒業。文学及び文学史の理論的解明を志し、この分野の先駆けといえる『夏目漱石の文学論~文学理論への道』を『試行』(吉本隆明氏編集)に連載した他、『日本の文学精神』をまとめる。
その後、NPO 法人萬葉学校での活動、『万葉集歴史物語』の刊行を経て、法政大学大学院(日本文学専攻)に社会人入学し8年間在籍。柿本人麻呂作品の文芸論的な解明など論文執筆。その後も引き続き、和歌を軸とする日本文芸史への取り組みを進める。 上記内容は本書刊行時のものです。
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