A5判 292頁 並製
定価 2,300円+税
ISBN 978-4-305-70864-9 C0095
在庫あり
奥付の初版発行年月 2018年08月 書店発売日 2018年08月06日 登録日 2018年07月04日
日本の古典文学の新たな学び方
文学の研究が現代の社会から離れてきた。
文学を研究するとは。どういうことなのか。
7人の研究者が真剣に討論した、未来へ窓をあける提言に満ちた書。
■執筆者
石井正己/小峯和明/松尾葦江/錦仁/金容儀/李市埈/セリンジャー・ワイジャンティ
■編集協力者
出口久徳/中村勝/船越亮佑/安松拓真
この本のはじめに◉石井正己
第一部 講演録
[開催趣旨]
洪水神話と『源氏物語』◉石井正己
一 文学研究を再検討しなければならない理由
二 津波の知識──「高潮といふものになむ、取りあへず人損はるる」
三 終末観と須磨脱出──「かくしつつ世は尽きぬべきにや」
四 洪水神話の痕跡と古典文学の伝統
東アジア文学研究の未来に向けて─『吉備大臣入唐絵巻』を中心に─◉小峯和明
一 東アジアの文学圏
二 『吉備大臣入唐絵巻』をめぐる
三 宝誌の観音化身
四 東アジアへの視界
古態論のさきには─平家物語研究をひらくⅡ─◉松尾葦江
一 古態論とは何か
二 平家物語には研究者の語る「伝説」がいくつもある
三 教育・読者現場との乖離を埋めるには
四 ゆれる物語を読むということ
和歌の帝国─菅江真澄・林子平・古川古松軒─◉錦 仁
一 和歌の果たした役割
二 和歌研究の資料を発掘・発見する
三 和歌と日本──林子平、古川古松軒も入れて
四 最後に──「中今」の日本
第二部 海外から見る日本文学
東アジア説話研究における『遺老説伝』◉金容儀
一 東アジア説話における『遺老説伝』
二 御嶽の由来にまつわる説話
三 沖縄説話における「夜来者」説話の特徴
四 王権説話としての沖縄の羽衣説話
五 東アジア説話の比較研究に向けて
韓国における日本古典文学の翻訳◉李市埈
一 はじめに
二 韓国語訳された作品
三 時期別の特徴
四 おわりに
『平家物語』に見られる馬の文学的象徴性◉セリンジャー・ワイジャンティ
一 はじめに
二 論文の狙いと見取り図
三 争乱の引き金となった名馬「木の下」
四 夜の「無法の世界」で愛馬を奪い返す頼信・頼義父子
五 名馬「いけずき」の神話的暴力性
六 「殿下乗合」事件─下馬せぬ無礼事件が象徴する「世の乱れ」
七 終わりに
第三部 緊急共同討議
文学研究に未来はあるか◉小峯和明/松尾葦江/錦仁/石井正巳(司会)
一 東日本大震災後の状況と日本文学研究のあり方
二 漢字・漢文文化圏におけるメディアとしての説話
三 平家物語研究をめぐる四つの最新課題
四 和歌によって結ばれた国・日本
五 文字の文化と声の文化を再認識する必要性
六 今、古典文学を研究すること、教育すること
資料1 石井正己 震災と古典文学
資料2 小峯和明 説話という文芸
資料3 松尾葦江 文学研究の「再構築」─回顧談から(平家物語研究の最新課題に至る)─
資料4 錦 仁 和歌の研究から日本の研究へ─点から線へ、線から面へ─
この本をまとめて◉錦仁
著者紹介・編集協力者紹介
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