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日韓怪異論 死と救済の物語を読み解く

清泉女子大学「日本文学と怪異」研究会(編著) / 藤井 由紀子(著) / 藤本 勝義(著) / 姫野 敦子(著) / 佐伯 孝弘(著) / 藤澤 秀幸(著) / 沈致烈(著) / 金基珩(著) / 姜祥淳(著) / 金貞淑(著) / 高永爛(著)

A5判  196頁 並製
定価 2,200円+税
ISBN 978-4-305-70848-9 C0095
在庫あり

奥付の初版発行年月 2017年05月
書店発売日 2017年05月19日
登録日 2017年04月20日

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紹介

何が〈救い〉で何が〈苦〉なのか、怪異から死生観がわかる

『今昔物語集』、『源氏物語』、能『鵺』、『平家物語』、『万の文反古』、『閑際筆記』、幸田露伴、泉鏡花、『淑英娘子伝』、水陸斎、野談、鬼神死生論、「あの世伝」、「淑香伝」、『三韓拾遺』......
学問のジャンルを超え「人間」と「社会」を捉える際に有効な視点である怪異研究と、東アジアという比較文芸の両視点を取り入れ、〈死と救済〉を全体テーマのもと、日韓のひとびとの死生観を考察する。

目次

はじめに

Ⅰ 日本編

「火車」を見る者たち─平安・鎌倉期往生説話の〈死と救済〉─○藤井由紀子
はじめに
一 『今昔物語集』の「火車」
二 「火車」と「罪」
三 「火車」を捉える視線
おわりに

『源氏物語』における死と救済○藤本勝義
はじめに
一 物の怪に憑依された人物
二 亡霊として夢枕に立つ人物と救済
三 六条御息所と光源氏
四 『源氏物語』前後の作品の死と救済
おわりに

中世文学における死と救済─能「鵺」をめぐって─○姫野敦子
はじめに
一 能「鵺」について
二 夢幻能・現在能について
三 修羅物について
四 修羅物の終末部から見る救済
五 能「鵺」の終末部と和泉式部「くらきより」の和歌
おわりに

死なせぬ復讐譚─『万の文反古』巻三の三「代筆は浮世の闇」を巡って─○佐伯孝弘
はじめに
一 巻三の三「代筆は浮世の闇」の梗概
二 話の典拠
三 復讐の仕方への疑問
四 往生の妨げ
五 話のテーマ
おわりに

幸田露伴・泉鏡花における「死」と「救済」○藤澤秀幸
一 はじめに─「芸」による「救済」─
二 幸田露伴における「死」と「救済」─『対髑髏』と『土偶木偶』─
三 泉鏡花における「死」と「救済」─『化鳥』と『朱日記』─
四 泉鏡花における「死」と「救済」─『夜叉ヶ池』と『海神別荘』─
五 おわりに

Ⅱ 韓国編

朝鮮王朝小説における死と救済の相関性─「淑英娘子伝」を中心に─○沈致烈
一 はじめに
二 死へ走る悲壮と救済の臨場感
三 死と救済の相関性

「水陸齋」における死の様相と儀礼の構造的な特徴○金基珩
一 はじめに
二 下壇に祀られた霊魂(霊駕)たちの存在様相
三 三壇を中心にみた水陸斎の構造的な特徴
四 おわりに

朝鮮王朝社会における儒教的転換と死生観の変化○姜祥淳
一 序論
二 儒教的儀礼の実踐と性理学的鬼神死生論の受容
三 儒教的死生観と巫俗 · 仏教的死生観の葛藤と習合
四 おわりに

朝鮮王朝時代のあの世体験談の死と還生の理念性○金貞淑
一 緒論
二 仏教的倫理観の文学的形象化
三 仏教の外皮、儒教的含意
四 善悪の具体的提示と勧善書の流行
五 おわりに

朝鮮王朝後期の韓国古小説に見える女性の死と救済○高永爛
一 朝鮮王朝後期の古典文学と謫降モチーフ
二 謫降仙女の死と生き返り
三 人間女性の死と転生
四 朝鮮王朝後期の韓国古小説に見える女性の死と救済

あとがき
執筆者一覧

前書きなど

【怪異研究の形で日本文学や日本文化、且つ韓国の文学や文化の本質に迫ることを目指して企画したものである。文学・歴史・宗教等他分野に亘り死生観にも関わる「死と救済」という明確なテーマを打ち立てたこと、古代から近代までの日本文学の全時代を俯瞰していること、そして韓国の文学や宗教・民俗についても日本と同じ分量の頁を割いて、日韓を比較対照し得ることを意図した構成となっていることが、本書の特長と言える。
......「まえがき」より】

著者プロフィール

清泉女子大学「日本文学と怪異」研究会(セイセンジョシダイガクニホンブンガクトカイイケンキュウカイ)
藤井 由紀子(フジイ ユキコ)
清泉女子大学准教授。専門は中古文学。主要著書に『夢見る日本文化のパラダイム』(荒木浩編 、共著、法藏館、二〇一五年)、『新時代への源氏学6 虚構と歴史のはざまで』(助川幸逸郎・立石和弘・土方洋一・松岡智之編、共著、竹林舎、二〇一四年)など。
藤本 勝義(フジモト カツヨシ)
青山学院女子短期大学名誉教授。博士(文学)。専門は中古文学。主要著書に『源氏物語の表現と史実』(笠間書院、二〇一二年)、『源氏物語の人ことば文化』(新典社、一九九九年)、『源氏物語の〈物の怪〉』(笠間書院、一九九四年)、『源氏物語の想像力』(笠間書院、一九九四年)、『王朝文学と仏教・神道・陰陽道』(竹林舎、編著、二〇〇七年)など。
姫野 敦子(ヒメノ アツコ)
清泉女子大学准教授。専門は中世文学。主要著書に『日本の歌謡を旅する』(日本歌謡学会編、共著、和泉書院、二〇一三年)、『鳥獣虫魚の文学史 :日本古典の自然観』(鈴木健一 編、共著、三弥井書店、二〇一一年)など。
佐伯 孝弘(サエキ タカヒロ)
清泉女子大学教授。専門は近世文学。主要著書に『江島其磧と気質物』(若草書房、二〇〇四年)、『八文字屋本全集』全二十三巻(共編、汲古書院、一九九三〜二〇〇〇年)、『西鶴と浮世草子研究』vol.2(共編、笠間書院、二〇〇七年) 、『浮世草子研究資料叢書』全七巻(共編、クレス出版、二〇〇八年)など。
藤澤 秀幸(フジサワ ヒデユキ)
清泉女子大学教授。専門は近代文学。主要著書に『論集大正期の泉鏡花』(泉鏡花研究会編、共著、おうふう、一九九九年)、『近代文学研究とは何か─三好行雄の発言─』(共編、勉誠出版、二〇〇二年)など。
沈致烈(シム チヨル)
誠信女子大学校教授。専門は韓国古典散文。主要著書に『古典小説講讀』(共著、韓国放送通信大学校、二〇一六年)、『神話の世界』(共著、誠信女子大学校出版部、二〇〇五年)、「〈淑英娘子伝〉に現れた死の現場性と再生の喪失感」(『韓国古典研究』三十二輯、韓国古典研究学会、二〇一五年十二月)など。
金基珩(キム ギヒョン)
高麗大学校教授。専門は韓国口碑文学。主要著書に『春香祭八十年史』(民俗院、二〇一五年)、『国立国楽院 口述叢書11 成又香』(国立国楽院、二〇一三年)、『韓国の民俗芸術五十年史』(共著、民俗院、二〇十一年)など。
姜祥淳(カン サンスン)
高麗大学校民族文化研究院HK教授。専門は韓国古典文学。主要著書に『鬼神と怪物』(召命出版、二〇一七年)、『韓国古典小説と精神分析学』(高麗大民族文化研究院出版部、二〇一六年)、『19世紀朝鮮の文化構造と動力学』(編著、召命出版、 二〇一三年)など。
金貞淑(キム ジョンスク)
高麗大学校CORE事業団研究教授。専門は韓国漢文小説、漢文散文。主要著書に『朝鮮後期 才子佳人小説と通俗的漢文小説』(宝庫社、二〇〇六年)、『日本漢文怪談集夜窓鬼談』(共訳、図書出版文、二〇〇八年)、『曲江樓奇遇記·想思洞餞客記』(檀国大出版部、二〇一五年)、 「漢文懸吐体新聞小説『神断公案』に見る犯罪敍事の商業化」(『日本学研究』五十号、二〇一七年一月)など。
高永爛(コウヨウラン)
高麗大学校民族文化研究院HK研究教授。主要著書に『日本古典文学に現れた生と死』(共著、ボゴ社、二〇一五年)、『鬼神、妖怪、異物の比較文化論』(共著、召命出版社、二〇一四年)、「銀と遊廓文化─『けいせい色三味線』の場合─」(『日本文化学報』七十輯、二〇一六年八月)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

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