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『源氏物語』引歌の生成 『古今和歌六帖』との関わりを中心に

藪 葉子(著)

A5判  256頁 上製
定価 6,500円+税
ISBN 978-4-305-70844-1 C0095
在庫あり

奥付の初版発行年月 2017年04月
書店発売日 2017年04月25日
登録日 2017年03月30日

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紹介

『古今和歌六帖』から『源氏物語』理解の可能性を開く

平安時代、文化を担った貴族たちの意識の中には常に和歌があり、『源氏物語』は和歌の美意識の集大成ともいえる。
作歌の手引書『古今和歌六帖』は他の和歌集にはない、当時の貴族たちのイメージや意識が表れている特徴を持つ。
本書は『古今和歌六帖』から『源氏物語』作者や当時の読者たちの意識の一端を具体的に探ることを試みる。

目次

本書を読む前に
凡例
はじめに

第一章 朝顔から夕顔へ
一 先行作品における夕顔
二 夕顔の花の表象
三 「山がつ」の語について
四 「かきほ」の歌題への着目
五 「しののめ」の語について
六 夕顔と朝顔との関係

第二章 須磨巻の検討
一 『古今六帖』各帖所載の引歌数
二 宰相の中将の須磨訪問場面
三 「黒駒」と「笛」の対称
四 「いへばえに」の語への着目
五 「ふえ」の歌題の特色
六 高麗笛について
七 「ふえ」の歌題と物語との関連
八 源氏四十の賀の「高麗笛」
九 「かがみ」の歌題への着目
一〇 『古今六帖』第五帖と物語との関連

第三章 玉鬘の美の表象
一 「葎」と「玉かづら」の歌題の連接
二 「撫子」と「山吹」の歌題の連接
三 真木柱巻への着目
四 冷泉帝の「言種」の特色
五 「赤裳垂れ引き」の表現について
六 「裳」の歌題への着目
七 玉鬘と山吹との照応
八 「立ちて思ひ......」の引歌の方法
九 「春の野に......」の引歌の方法
一〇 「くちなし」の歌題への着目
一一 山吹のイメージの再現
一二 『古今六帖』と物語との関係

第四章 「東路の道の果てなる......」の引歌に関して
一 藤袴巻の玉鬘求婚譚
二 「『道の果てなる』とかや」の主体について
三 藤袴巻の「東路の......」の引歌の意義
四 夕霧と柏木との照応
五 竹河巻の「東路の......」の引歌の意義
六 「帯」の歌について
七 引歌への着目から窺えること

第五章 『河海抄』に引用された『古今六帖』の歌の様相
一 『河海抄』の『古今六帖』引用への着目
二 『河海抄』所引の『古今六帖』本文と現存『古今六帖』本文との対照表
三 『河海抄』の『古今六帖』出典注記
四 『河海抄』所引の『古今六帖』本文と現存『古今六帖』本文との相関
五 『河海抄』所引の『古今六帖』の歌の作者名表記
六 『河海抄』所引の『古今六帖』本文の様相
七 『古今六帖』現存本の様相の一端

第六章 人物の古歌の利用と出典との関係
一 さほど高貴でない人物の利用する古歌の出典一覧
二 「雨夜の品定め」における古歌の利用
三 人物の身分と古歌の出典との相関
四 女性に対する源氏の古歌の利用
五 『古今六帖』の歌題第一首目の歌について
六 人物の古歌の利用から窺えること

第七章 引歌の季節と連鎖をめぐって
一 物語場面と引歌の季節との不一致
二 桐壺巻〈野分の段〉への着目
三 秋の場面における春の歌の引用例一覧
四 秋の場面における春の歌の引用例の検討
五 〈野分の段〉の「とふ人も......」の引歌の意義
六 「木の間より......」の引歌の意義
七 柏木物語にみえる引歌の反復
八 夕霧の弔問場面の引歌について

おわりに
初出一覧
あとがき
索引

前書きなど

作歌の手引書でもあったと考えられている『古今和歌六帖』には、芸術作品である他の和歌集には見出しにくい、当時の貴族たちのイメージや意識が、ありのままに飾らず表われているように思う。(中略)先行和歌、あるいは同時代の和歌と『源氏物語』との関わりについては、諸先学によって優れた論考が幾多もなされてきた。ただ、『源氏物語』は誠に大部な作品であり、しかも、あらゆる先行の文学がその中に溶け込んでいるのである。より深く『源氏物語』を理解する可能性は、まだ尽きていないであろう。本書は、作歌の手引書として編まれた『古今和歌六帖』という、他の和歌集にはない特徴を持つ歌集によって、『源氏物語』作者や当時の読者たちの意識の一端をより具体的に探ってみようと試みたものである。……「本書を読む前に」より

著者プロフィール

藪 葉子(ヤブ ヨウコ)
昭和46年生まれ
平成9年 大阪教育大学大学院修士課程修了、平成13年 
武庫川女子大学大学院博士後期課程修了、博士(文学)
現在 武庫川女子大学他非常勤講師
著書 『伊勢物語 享受の展開』(共著 竹林舎)

上記内容は本書刊行時のものです。

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