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ひめぎみ考 王朝文学から見たレズ・ソーシャル

小林 とし子(著)

A5判  310頁 上製
定価 1,500円+税
ISBN 978-4-305-70786-4 C0091
在庫あり

奥付の初版発行年月 2015年11月
書店発売日 2015年12月15日
登録日 2015年11月13日

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紹介

姫君を中枢とした〈女社会=レズ・ソーシャル〉が
社会で果たした役割を平安文学から読み解く

古代社会において共同体を結束させる装置として必要とされた
高貴な女の威力・聖性が、根強く残っていた平安時代。
『枕草子』『伊勢集』『紫式部日記』『源氏物語』には
生き生きと躍動する〈女社会〉が描かれていた。

【平安時代の女社会、〈王朝レズ・ソーシャル〉は、社会の底辺ではないとは言え、男性による制度の外側の存在、あるいは裏側の存在に過ぎない、しかし、逆に制度外であるからこその威力を─制度外ならではの矛盾・葛藤をも抱え込みながら、ですが─放っていたのではないか、と思えます。
 その女社会を悩みながらも生きた、優れた女性たちによって書き記されたものが平安から鎌倉時代にかけての文学作品であって、そこからはその時代と社会を生きたものならではの認識と美意識が見えてきます。さらに気迫も覇気も批判精神もあります。彼女たちが格闘したものは、現代の私たちにとってもやはり同じく格闘して見据えていくべき問題ではないかと思うのです。〈王朝レズ・ソーシャル〉への批判も含めてですが、今後も検証していきたいと思っています。…「はじめに」より】

目次

はじめに

女神のお食事

 女神幻想 
 配膳する男 
 男神のお食事─藤原道長の配膳行為 
 配膳する女─伊勢物語〈高安の女〉 
 京都祇園の〈配膳さん〉と女社会 
 『魏志倭人伝』の一節 

翁幻想─『枕草子』  

翁丸という犬の話 
猿楽言の翁─関白道隆 
 縁の下の翁 
 猿楽言の翁 
 百二十三段─道隆・道長の運命と定子の超越 
 翁が暗示するもの─服従する海幸彦の物語 

めでたき女 伊勢御息所─『伊勢集』に見る女社会  

 めでたき女 
 伊勢と温子の関係 
 女主人と配下の女の問題 
 伊勢の宮仕え 
 『伊勢物語』─藤原高子の例 
 伊勢のその後 

女神のお仕事─『枕草子』の世界  

〈私たち〉の世界 
定子の世界 
 〈ケガレ〉なき世界 
 女たちの世界─幻想を生きる 
 定子の女社会─二百六十段 
 女主宰者の母なるもの 
 定子と原子の〈お食事〉─御膳の場面 
 定子─女神を生きる 
 女神を演じる女主宰者の例 
 〈思ふ〉〈思はる〉の主従関係 
 定子の寵愛 
女社会の逸脱と躍動 
 女房たちの逸脱と躍動 
 下男の訴え 
 ほととぎすを聞きに行く話 
 雪山をめぐるエピソード─八十二段 
清少納言その後 

女社会の分析批評 リアリストのまなざし─『紫式部日記』  

 紫式部の憂鬱 
 あらぬ世を生きる─紫式部にとっての宮廷社会 
 彰子配下の女房たち─もと姫君たちの世界 
 斎院の女社会との比較論 
 女が顔を見せるということ 
 紫式部の不幸感 
 里の女と宮仕えの女 
 友の発見 
 本当の私は─ 
 紫式部の信仰 
 女宮、待望論─源氏物語の女系の物語 

夕顔 死と再生の物語─『源氏物語』  

夕顔の死をめぐって─真相を推理する 
 夕顔を取り殺した犯人とは 
 仮説─もう一人の犯人の可能性 
 もののけ出現の時間 
 桐壷巻冒頭との比較から見えるもの 
 ミステリーとしての装置 
夕顔─ヒメとしての再評価 
 夕顔再生のために 
 五条界隈─怪しげな世界 
 謎の女としての装置 
 五条界隈─市・無縁の世界 
 なにがしの院へ 
 夕顔の姿─光源氏のまなざしの中で 
 夕顔の身の上と高貴な精神性 
 『紫式部日記』に描かれた上臈女房との比較 
 夕顔再生 

断 想  

 〈傍ら〉にあるもの─歴史のなかの暗がり 
 橋を渡る、ということ 
 山の麓の世界 

超越するまなざし─誇り高き女たちの物語   

あとがき 

著者プロフィール

小林 とし子(コバヤシ トシコ)
1954年(昭和29年)、大阪市生まれ。
学習院大学大学院人文科学研究科国文学専攻博士後期課程満期退学。
現在、作新学院大学・宇都宮大学等で非常勤講師。
所属学会は、日本文学協会等。

著書・論文
歌集『漂泊姫』(2000年 砂子屋書房)、『扉を開く女たち─ジェンダーからみた短歌史』(共著 2001年 砂子屋書房)、「性を売る女の出現─平安・鎌倉時代の遊女」(『買売春と日本文学』所収 2002年 東京堂出版)、『さすらい姫考─日本古典からたどる女の漂泊』(2006年 笠間書院)〈2006年度女性文化賞受賞〉、『女神の末裔─日本古典文学から辿る〈さすらい〉の生』(2009年 笠間書院)、『翁と媼の源氏物語』(2011年 笠間書院)

上記内容は本書刊行時のものです。

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