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平安文学をいかに読み直すか

谷 知子(編著) / 田渕 句美子(編著) / 久保木 秀夫(著) / 中川 博夫(著) / 佐々木 孝浩(著) / 渡邉 裕美子(著) / 渡部 泰明(著) / 加藤 昌嘉(著) / 荒木 浩(著)

A5判  288頁 並製
定価 2,500円+税
ISBN 978-4-305-70678-2 C0095
在庫あり

奥付の初版発行年月 2012年10月
書店発売日 2012年10月30日
登録日 2012年10月03日

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書評情報

2012-12-09 毎日新聞 五味文彦(放送大学教授・日本中世史)

解説

「古典は固定したものではなく、これからもいくらでも塗り替えられる」「文学史は自明のものではなく、常に変化していく」固定した古典文学作品観を打破する。気鋭の中堅・若手を中心に研究の最前線を広く社会に発信。

紹介

文学史は自明のものではなく常に変化していく--固定した古典文学作品観を打破する。気鋭の中堅・若手を中心に研究の最前線を発信。

「古典は固定したものではなく、これからもいくらでも塗り替えられる。」
「文学史は自明のものではなく、常に変化していく。」
こうしたメッセージの元、固定した古典文学作品観を打破すべく編まれた論集。
未来に向けて、古典のみずみずしい読み方や作品批評を行っていくために、
気鋭の中堅・若手を中心にした書き手により、研究の最前線を提示。
学界のみならず、広く社会に発信していく。

執筆者は、編者の谷知子、田渕句美子のほか、久保木秀夫、中川博夫、佐々木孝浩、渡邉裕美子、渡部泰明、加藤昌嘉、荒木浩。

【この論文集の評価は読者によって決まる。真の評価は、読者に委ねたいと思う。本書は、研究者・大学院学生・学部学生のみならず、中学・高校の国語科の先生方・古典に関心を持つ一般の方にも広く読んでいただきたいと思う。古典は固定したものではなく、これからもいくらでも塗り替えられるということ、文学史は自明のものではなく、常に変化していくものだということを、広く伝えたい。研究の最前線を、学界のみならず、広く社会に発信していくのは、我々研究者の責務だと思うからである。】......はじめにより

目次

はじめに[谷知子・田渕句美子]

第一章 『伊勢物語』大島本奥書再読 [久保木秀夫]
1 〈異本〉研究の停滞/2 大島本の奥書/3 日大為相本との比較/4 大島本の性格/5 大島本の本文

第二章 『竹取物語』の和歌―不定形なテキストの矛盾 [谷知子]
1 はじめに/2 難題譚の和歌/3 帝とかぐや姫の和歌/4 命をかけた恋/5 結びにかえて

第三章 『大和物語』瞥見―「人の親の心は闇にあらねども」を中心に [田渕句美子]
1 はじめに/2 『大和物語』第四十五段と『後撰集』との断層/3 宮廷社会の状況から/4 『兼輔集』をめぐって/5 もう一つの問題点―『後撰集』の本文などをめぐって―/6 「人の親の...」の歌から『大和物語』へ/7 「人の親の...」の受容の様相/8 中世前期の歌人と『大和物語』―藤原定家を中心に―

第四章 『土佐日記』の和歌の踪跡 [中川博夫]
1 はじめに/2 平安時代の受容―恵慶・高遠から院政期までの形跡―/3 鎌倉時代の受容―定家・為家とその周辺―/4 南北朝・室町時代の受容―正徹や実隆など―/5 近世の受容―事例の一端覚書―/6 むすび

第五章 定家本としての『枕草子』―安貞二年奥書の記主をめぐって [佐々木孝浩]
1 はじめに/2 三巻本枕草子の呼称の問題/3 安貞二年奥書の記主の問題/4 安貞二年奥書の再確認/5 定家本としての特徴/6 定家本の受容/7 定家本の抄出本/8 定家本の流布の問題/9 おわりに

第六章 和歌史の中の『枕草子』 [渡邉裕美子]
1 はじめに/2 勅撰集への視線/3 規範としての『古今集』/4 想起される「古歌」/5 「集は」から「歌の題は」への連接/6 「打聞」への憧れ/7 庚申当座探題歌会の性格/8 終わりに

第七章 和泉式部の歌の方法 [渡部泰明]
1 はじめに/2 百人一首歌を契機として/3 死という発想/4 死の想像と他者の目/5 観身論命歌群―自意識から共感へ―/6 観身論命歌群の風景表現

第八章 "『源氏物語』の作者は紫式部だ"と言えるか? [加藤昌嘉]
1 『紫式部日記』の中の『源氏物語』関連記事/2 『紫式部日記』の中で「物語」としか書かれていない記事/3 西暦一〇〇〇年代の資料/4 西暦一一〇〇年代〜一二〇〇年代の資料

第九章 〈非在〉する仏伝―光源氏物語の構造 [荒木浩]
1 桐壺の予言をめぐって―問題の所在/2 『源氏物語』の内なる仏伝/3 仏伝の予言と文脈/4 予言に続く仏伝の要素と『源氏物語』の類似点/5 釈迦の多妻(polygamy)伝承と三時殿/6 四方四季と六条院/7 仏陀の反転としての光源氏

著者プロフィール

谷 知子(タニ トモコ)
1959年、徳島県生まれ。大阪大学卒、東京大学大学院博士課程単位取得。博士(文学)。フェリス女学院大学教授。
著書に『中世和歌とその時代』(2004、笠間書院)、『和歌文学の基礎知識』(2006、角川選書)、『天皇たちの和歌』(2008、角川選書)、『百人一首 (クラッシックCOMIC) 』(2008、PHP研究所)『百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス』(2010、角川ソフィア文庫)など。
田渕 句美子(タブチ クミコ)
1957年、東京都生まれ。お茶の水女子大学卒、同大学院博士課程単位取得。博士(人文科学)。早稲田大学教授。
著書に『阿仏尼とその時代―『うたたね』が語る中世』(2000、臨川書店)、『中世初期歌人の研究』(2001、笠間書院)、『十六夜日記(物語の舞台を歩く)』(2005、山川出版社)、『十六夜日記白描淡彩絵入写本・阿仏の文』(2009、勉誠出版)、『阿仏尼(人物叢書)』(2009、吉川弘文館)、『新古今集 後鳥羽院と定家の時代』(2010、角川選書)など。
久保木 秀夫(クボキ ヒデオ)
鶴見大学准教授。和歌及び中古仮名散文に関する古典籍・古筆切の研究。『中古中世散佚歌集研究』(青簡舎、2009)、『林葉和歌集 研究と校本』(笠間書院、2007)、「『伊勢物語』天理図書館蔵伝為家筆本をめぐって」(『汲古』第60号、2011.12)など。
中川 博夫(ナカガワ ヒロオ)
鶴見大学教授。和歌文学・中世文学。『大弐高遠集注釈』(貴重本刊行会、2010)、「『瓊玉和歌集』の諸本について」(『芸文研究』101-1、2011.12)など。
佐々木 孝浩(ササキ タカヒロ)
慶應義塾大学附属研究所斯道文庫教授。日本古典籍書誌学・中世和歌。共著『大島本源氏物語の再検討』(和泉書院、2009)、「「屋代本平家物語」の書誌学的再検討」(千明守編『平家物語の多角的研究 屋代本を拠点として』ひつじ書房、2011)、「冊子本の外題位置をめぐって」(『斯道文庫論集』第46輯、2012.3)など。
渡邉 裕美子(ワタナベ ユミコ)
宇都宮大学(非常勤講師)。中世文学・和歌文学。『最勝四天王院障子和歌全釈』(風間書房、2007)、『新古今時代の表現方法』(笠間書院、2010)、『歌が権力の象徴になるとき』(角川学芸出版、2011)など。
渡部 泰明(ワタナベ ヤスアキ)
東京大学教授。和歌文学・中世文学。『中世和歌の生成』(若草書房、1999)、『和歌とは何か』(岩波新書、2009)など。
加藤 昌嘉(カトウ マサヨシ)
法政大学教授。平安時代の物語。『揺れ動く『源氏物語』』(勉誠出版、2011)、共編著『テーマで読む源氏物語論 4 紫上系と玉鬘系―成立論のゆくえ―』(勉誠出版、2010)など。
荒木 浩(アラキ ヒロシ)
国際日本文化研究センター・総合研究大学院大学教授。日本文学。『説話集の構想と意匠 今昔物語集の成立と前後』(勉誠出版、2012)、『日本文学二重の顔〈成る〉ことの詩学へ』(阪大リーブル2、大阪大学出版会、2007)、共著『新日本古典文学大系41 古事談 続古事談』(川端善明との共著・校注 岩波書店、2005)

上記内容は本書刊行時のものです。

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