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 コレクション日本歌人選 4

西行

橋本美香(著)

四六判  122頁 並製
定価 1,200円+税
ISBN 978-4-305-70648-5 C0092
在庫あり

奥付の初版発行年月 2012年10月
書店発売日 2012年10月05日
登録日 2012年09月13日

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解説

うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、西行です。

紹介

日本の代表的歌人の秀歌を堪能するアンソロジー「コレクション歌人選」(3期・全60冊)。花と月に思いを託し詠った歌僧、西行。

うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、西行です。

花と月に思いを託して歌い
後世に多くの伝説を残した、
自由な境地に遊ぶ歌僧。

西行(さいぎょう)
二十三という若さで重代の武士の家を捨てて出家、熊野での修行や、京都や伊勢などに草庵を営むかたわら、二度の奥州旅行や四国行脚を敢行した僧歌人。生涯、桜と月を愛した旅の歌人としても知られ、その数奇の境涯から生みだした自在奔放な実感にあふれる多くの歌を、『山家集』以下の家集に残し、和歌と宗教のおのずからの融合を実践した。能因を思慕し、また後世の宗祇や芭蕉から追慕されるなど、その闊達自在な歌を愛好する文人は多く、今なおその跡を絶たない。

目次

01 津の国の難波の春は夢なれや蘆の枯葉に風わたるなり
02 咲きそむる花を一枝まづ折りて昔の人のためと思はん
03 木のもとに住みける跡を見つるかな那智の高嶺の花を尋ねて
04 願はくは花の下にて春死なんその如月の望月のころ
05 吉野山花をのどかに見ましやは憂きが嬉しきわが身なりけり
06 花見にと群れつつ人の来るのみぞあたら桜の咎にはありける
07 あくがるる心はさても山桜散りなん後や身に帰るべき
08 覚えぬを誰が魂の来たるらんと思へば軒に蛍飛びかふ
09 あはれいかに草葉の露のこぼるらん秋風立ちぬ宮城野の原
10 心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮
11 朽ちもせぬその名ばかりをとどめ置きて枯野の薄形見にぞ見る
12 きりぎりす夜寒に秋のなるままに弱るか声の遠ざかりゆく
13 秋篠や外山の里や時雨るらん生駒の嶽に雲のかかれる
14 吉野山ふもとに降らぬ雪ならば花かとみてぞ訪ね入らまし
15 播磨潟灘のみ沖に漕ぎ出でてあたり思はぬ月を眺めん
16 なかなかに時々雲のかかるこそ月をもてなす飾りなりけれ
17 忌むといひて影も当たらぬ今宵しも割れて月見る名や立ちぬらん
18 いかで我清く曇らぬ身となりて心の月の影を磨かん
19 いとほしやさらに心の幼びて魂ぎれらるる恋もするかな
20 歎けとて月やは物を思はするかこち顔なるわが涙かな
21 あはれあはれこの世はよしやさもあらばあれ来む世もかくや苦しかるべき
22 伏見過ぎぬ岡の屋になほ止まらじ日野までゆきて駒こころみん
23 惜しむとて惜しまれぬべきこの世かは身を捨ててこそ身をも助けめ
24 鈴鹿山うき世をよそに振り捨てていかになりゆくわが身なるらん
25 言の葉のなさけ絶えにし折節にあり逢ふ身こそ悲しかりけれ
26 夜の鶴の都のうちを出でてあれな子の思ひには惑はざらまし
27 立てそむるあみ捕る浦の初竿は罪の中にもすぐれたるかな
28 ここをまたわれ住み憂くて浮かれなば松は一人にならんとすらん
29 山深みけぢかき鳥の音はせで物恐ろしき梟の声
30 苗代にせき下されし天の川止むるも神の心なるべし
31 世の中を厭ふまでこそ難からめ仮のやどりを惜しむ君かな
32 うなゐ子がすさみに鳴らす麦笛の声に驚く夏の昼臥し
33 ぬなは生ふ池に沈める立石の立てたることもなき汀かな
34 暇もなき炎の中の苦しみも心おこせば悟りにぞなる
35 年たけてまた越ゆべしと思ひきや命なりけり小夜の中山
36 岩戸あけし天つ尊のその上に桜を誰か植ゑ始めけん
37 深く入りて神路の奥を尋ぬればまた上もなき峰の松風
38 風になびく富士の煙の空に消えて行方も知らぬわが思ひかな
歌人略伝
略年譜
解説「時代を超えて生きる遁世歌人 西行」(橋本美香)
読書案内
【付録エッセイ】西行--その漂泊なるもの--(上田三四二)

著者プロフィール

橋本美香(ハシモト ミカ)
岡山県生。ノートルダム清心女子大学大学院博士課程修了。博士(文学)。現在 川崎医科大学准教授。主要論文「漂泊する心」(「清心語文」)「『山家集』「恋百十首」の独自性」(「ノートルダム清心女子大学開設十周年記念論文集」)

上記内容は本書刊行時のものです。

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