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 コレクション日本歌人選 2

後鳥羽院

吉野 朋美(著)

四六判  122頁 並製
定価 1,200円+税
ISBN 978-4-305-70628-7 C0092
在庫あり

奥付の初版発行年月 2012年03月
書店発売日 2012年03月08日
登録日 2012年02月10日

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解説

うたの森に、ようこそ。柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、後鳥羽院です。

紹介

日本の代表的歌人の秀歌を堪能するアンソロジー「コレクション歌人選」(3期・全60冊)。新古今集編纂を下命した帝王、後鳥羽院。

うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、後鳥羽院です。

承久の乱はその本質において、
文藝の問題を武力によつて解決しようとする
無謀な試みだつたのではないか。
わたしにはそんな気がしてならない。 丸谷才一

後鳥羽院 ごとばいん
高倉天皇第四皇子で、源平の争乱のさなかに神器のないまま即位した第八十二代の天皇。譲位後は院政を布(し)き、和歌をはじめ蹴鞠、有職故実(ゆうそくこじつ)研究、水練、馬術、武芸、刀剣の鍛錬とあらゆることに取り組むが、なかでも和歌にのめりこみ、下命した勅撰集『新古今集』ではみずからが編纂の実質的なリーダーとなる。政治と文学、宗教のすべてを手中に収め、国を統(す)べようとした剛毅果敢な帝王。倒幕をめざした承久の乱に敗れて隠岐島に流され、在島十九年ののち同地に薨(こう)じた悲劇の帝王でもある。「ほのぼのと春こそ空に来(き)にけらし天の香具山霞たなびく」に代表されるような、鷹揚で闊達な帝王ぶりの歌をよんだ。

目次

01 雲のうへに春暮れぬとはなけれども馴れにし花の陰ぞ立ち憂き
02 岩田川谷の雲間にむらぎえてとどむる駒の声もほのかに
03 冬くれば淋しさとしもなけれども煙を絶たぬ小野の夕暮
04 見るままに山風荒くしぐるめり都も今や夜寒なるらむ
05 岩にむす苔踏みならすみ熊野の山のかひある行末もがな
06 駒並めて打出の浜を見わたせば朝日にさわぐ志賀の浦波
07 万代と御裳濯河の春の朝波に重ねて立つ霞かな
08 思ひつつ経にける年のかひやなきただあらましの夕暮の空
09 里は荒れぬ尾上の宮のおのづから待ちこし宵も昔なりけり
10 今日だにも庭を盛りとうつる花消えずはありとも雪かともみよ
11 桜咲く遠山鳥のしだり尾のながながし日も飽かぬ色かな
12 秋の露や袂にいたく結ぶらむ長き夜飽かず宿る月かな
13 露は袖に物思ふころはさぞな置くかならず秋の習ひならねど
14 何とまた忘れて過ぐる袖の上にぬれて時雨のおどろかすらむ
15 ほのぼのと春こそ空に来にけらし天の香具山霞たなびく
16 石上古きを今に並べ来し昔の跡をまた尋ねつつ
17 見わたせば山もと霞む水無瀬川夕べは秋となに思ひけむ
18 思ひ出づるをりたく柴の夕煙むせぶも嬉し忘れ形見に
19 津の国の蘆刈りけりな頼みこし人も渚のいとど住みうき
20 おのが妻恋ひつつ鳴くや五月闇神奈備山の山ほととぎす
21 橋姫の片敷き衣狭筵に待つ夜むなしき宇治のあけぼの
22 水無瀬山木の葉あらはになるままに尾上の鐘の声ぞちかづく
23 奥山のおどろが下も踏み分けて道ある世ぞと人に知らせむ
24 頼めずは人を待乳の山なりと寝なましものを十六夜の月
25 人も愛し人も恨めしあぢきなく世を思ふゆゑに物思ふ身は
26 近江なる志賀の花園里あれて鶯ひとり春ぞわすれぬ
27 明石潟浦路晴れゆく朝なぎに霧にこぎ入る海士のつり舟
28 西の海の仮のこの世の浪の上になに宿るらむ秋の夜の月
29 片削ぎのゆきあひの霜のいくかへり契かむすぶ住吉の松
30 思ひのみ津守の海人の浮けの緒の絶えねばとてもよる方もなし
31 たらちねの消えやらで待つ露の身を風より先にいかで訪はまし
32 霞みゆく高嶺を出づる朝日影さすがに春の色を見るかな
33 遠山路いく重も霞めさらずとて遠方人の訪ふもなければ
34 あやめふく茅が軒端に風過ぎてしどろに落つる村雨の露
35 我こそは新島守よ隠岐の海の荒き波風心して吹け
36 わが頼む御法の花の光あらば暗きに入らぬ道しるべせよ
37 軒端荒れて誰か水無瀬の宿の月すみこしままの色やさびしき

歌人略伝
略年譜
解説「帝王後鳥羽院とその和歌」(吉野朋美)
読書案内
【付録エッセイ】宮廷文化と政治と文学(丸谷才一)

著者プロフィール

吉野 朋美(ヨシノ トモミ)
1970年東京都生。聖心女子大学卒業、東京大学大学院修了、博士(文学)。現在 中央大学文学部准教授。
主要著書・論文『堀河院百首和歌』(共著、明治書院)『俊頼述懐百首全釈』(共著、風間書房)「後鳥羽院における源俊頼」(「国語と国文学」86-9)

上記内容は本書刊行時のものです。

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