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 コレクション日本歌人選 2

東歌・防人歌

近藤 信義(著)

四六判  128頁 並製
定価 1,200円+税
ISBN 978-4-305-70622-5 C0092
在庫あり

奥付の初版発行年月 2012年03月
書店発売日 2012年04月06日
登録日 2012年03月14日

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解説

うたの森に、ようこそ。柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、東歌・防人歌です。

紹介

日本の代表的歌人の秀歌を堪能するアンソロジー「コレクション歌人選」(3期・全60冊)。万葉集に残る東国人の歌、東歌・防人歌。

うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、東歌・防人歌です。

恋愛感情を主とし集団に向けて詠われた東歌、
九州沿岸の警備に赴く兵士とその家族が詠んだ防人歌。
『万葉集』に残る、東国に生きた人々の声を聞く。

東歌・防人歌 あずまうた・さきもりうた
『万葉集』の東歌・防人歌の舞台は現在の関東の諸県と長野県、静岡県を含んでいる。律令制下の東国へは二つの大きな官道(東海道・東山道)が通っていた。歌は道に沿っている。人々の歌好きは都人を驚嘆させていた。都人が失いかけていた人々の生活の中からの歌声があったのだ。東歌は衆に向かって楽しい。一方、九州辺境の防衛を担った防人達の歌は、同じ東国の出身者でありながら家郷の父母や妻・恋人に心を向けている。個の直裁な訴えが、現在今に届いてくる。時代を越えて心に響く歌々を東国の人々が放っていた。

目次

東歌
01 なつそびく海上潟の沖つ洲に船は留めむさ夜更けにけり
02 葛飾の真間の浦まを漕ぐ船の船びと騒く波立つらしも
03 筑波嶺の新桑繭の衣はあれど君が御衣しあやに着欲しも
04 筑波嶺に雪かも降らる否をかも愛しき児ろが布乾さるかも
05 信濃なる須我の荒野にほととぎす鳴く声聞けば時すぎにけり
06 さ寝らくは玉の緒ばかり恋ふらくは富士の高嶺の鳴沢のごと
07 足柄の箱根の嶺ろのにこ草の花つ妻なれや紐解かず寝む
08 多摩川にさらす手作りさらさらになにそこの児のここだ愛しき
09 足の音せず行かむ駒もが葛飾の真間の継ぎ橋止まず通はむ
10 筑波嶺のをてもこのもに守部すゑ母い守れども魂ぞ合ひにける
11 信濃道は今の墾り道刈りばねに足踏ましむな沓はけ我が背
12 伊香保ろのやさかのゐでに立つ虹の現ろまでもさ寝をさ寝てば
13 足柄の我を可鶏山の殻の木の我をかづさねも殻割かずとも
14 陸奥の安太多良真弓はじき置きてせらしめ来なば弦はかめやも
15 都武賀野に鈴が音聞こゆ可牟思太の殿の仲郎し鳥狩りすらしも
   或本の歌に曰く「美津我野に」。また曰く「若子し」
16 鈴が音の早馬駅家の堤井の水をたまへな妹が直手よ
17 水門の葦が中なる玉小菅刈り来我が背子床の隔しに
18 おもしろき野をばな焼きそ古草に新草交じり生ひは生ふるがに
19 風の音の遠き我妹が着せし衣たもとのくだりまよひ来にけり
20 稲つけばかかる我が手を今夜もか殿の若子が取りて嘆かむ
21 誰そこの屋の戸おそぶる新嘗に我が背をやりて斎ふこの戸を
22 まかなしみ寝れば言に出さ寝なへば心の緒ろに乗りてかなしも
23 夕占にも今夜と告らろ我が背なはあぜそも今夜よしろ来まさぬ
24 相見ては千年や去ぬるいなをかも我やしか思ふ君待ちがてに
25 人妻とあぜかそを言はむしからばか隣の衣を借りて着なはも
26 東道の手児の呼坂越えて去なば我は恋ひむな後は逢ひぬとも
27 昼解けば解けなへ紐の我が背なに相寄るとかも夜解けやすけ
28 麻苧らを麻笥にふすさに績まずとも明日着せさめやいざせ小床に
29 梓弓末は寄り寝むまさかこそ人目を多み汝を端に置けれ
30 子持山若かへるでのもみつまで寝もと我は思ふ汝はあどか思ふ
31 紫草は根をかも終ふる人の児のうらがなしけを寝を終へなくに
32 春へ咲く藤の末葉のうらやすにさ寝る夜そなき児ろし思へば
33 谷狭み峯に延ひたる玉かづら絶えむの心我が思はなくに
34 み空ゆく雲にもがもな今日行きて妹に言問ひ明日帰り来む
35 汝が母に嘖られ我は行く青雲の出で来我妹子相見て行かむ
36 青柳の張らろ川門に汝を待つと清水は汲まず立ち処ならすも

防人歌
01 わが妻はいたく恋ひらし飲む水に影さへ見えてよに忘られず
02 大君のみことかしこみ磯に触り海原わたる父母を置きて
03 八十国は難波に集ひ船かざりあがせむ日ろを見も人もがも
04 真木柱ほめて造れる殿のごといませ母刀自面変はりせず
05 我妹子と二人わが見しうち寄する駿河の嶺らは恋しくめあるか
06 庭中の阿須波の神に小柴さしあれは斎はむ帰り来までに
07 a 難波津にみ船下ろすゑ八十楫貫き今は漕ぎぬと妹に告げこそ
  b 防人に立たむ騒きに家の妹がなるべきことを言はず来ぬかも
08 天地の神を祈りてさつ矢貫き筑紫の島をさして行くわれは
09 ふたほがみ悪しけ人なりあたゆまひ我がするときに防人に差す
10 むらたまの枢に釘さし堅めとし妹が心は動くなめかも
11 ちはやふる神の御坂に幣まつり斎ふ命は母父がため
12 ひなくもり碓氷の坂を越えしだに妹が恋しく忘らえぬかも
13 草まくら旅の丸寝の紐絶えば我が手と付けろこれの針持し
14 防人に行くは誰が背と問ふ人を見るが羨しさもの思ひもせず

東歌・防人歌の作者達--概観に代えて--
東国地図
解説「東歌・防人歌」(近藤信義)
読書案内
【付録エッセイ】古代の旅(抄)(野田浩子)

著者プロフィール

近藤 信義(コンドウ ノブヨシ)
1938年東京都生。國學院大學大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。現在 立正大学名誉教授。國學院大學大学院客員教授。
主要著書・編著『枕詞論―古層と伝承』(桜楓社)『音喩論―古代和歌の表現と技法』(おうふう)『万葉遊宴』(若草書房)『修辞論』(編著、おうふう)『音感万葉集』(塙新書)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

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