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丁寧に読む古典

小松 英雄(著)

四六判  304頁 上製
定価 1,900円+税
ISBN 978-4-305-70352-1 C0081
在庫あり

奥付の初版発行年月 2008年11月
書店発売日 2008年11月15日
登録日 2010年02月18日

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紹介

墨の濃淡・文字の大小・配置など、筆跡の美しさに留まらない、毛筆で書かれた原典の魅力を解き明かす。仮名書道に親しむ人も必読。

魔法の筆記具、
毛筆によって生み出された仮名文を
活字で味わうために知っておくべきこと。

毛筆によって生み出された仮名文を活字の校訂テクストで読み味わうため、平安時代の仮名と現今の平仮名との特性の違いを明確に把握。失われた平安びとの仮名運用感覚を取り戻す。
仮名書道に親しむ人も必読。

毛筆で書かれた原典がもつおもしろさがわかる。
墨の濃淡・文字の大小・配置……
筆跡の美しさに留まらない、書写した人物の心に触れる。

目次

■■■イントロダクション 1

導言 原作の時期の感覚で古典の表現を読み取る 1
Ⅰ.予備知識なしに読めるバリアフリーの専門書 5
Ⅱ.本書のアプローチ 9
Ⅲ.古典文法フリーで日本語の感覚をよみがえらせる 12
Ⅳ.時間の壁を乗り越える 31


■■■第一章 仮名文テクストの表現を読み解く方法--「をくらのやま」と「をくらやま」との違いに反応できる感覚

導言 ひとつひとつのことばによく注意しながら和歌表現を解きほぐす 38
考察の糸口--「をぐらし」とはどういう状態なのか 38
ツゴモリの夕月夜 41
「をぐらし」とはどういう状態をさす語だったのか 43
「をくらのやま」と「をくらやま」 50
「ゆふづくよ」の和歌の要約 53
仮名の運用によって和歌の心象をイメージ化する試み 54
秋はいにけり 60
対極にある感受性 72
貫之作「道知らば」の和歌 73
『後撰和歌集』秋下の末尾二首 74

■■■第二章 仮名はどういう特質をもつ文字だったのかー仮名ならではの表現技巧と草仮名ならではの表現技巧

導言 仮名と平仮名とは、別々の文字体系であることを認識する 77
仮名文テクストを平仮名文に置き換えるとなにが失われるか 79
仮名文字の特質とは 82
仮名の体系の形成 85
仮名文 86
仮名文における仮名と漢字との使い分け 92
ひ●ら木ら 93
読まれるため、読ませるための書記 96
かものか(は)ら 97
草仮名でしか使えない表現技巧 100

■■■第三章 和歌における仮名文字の運用--仮名文の初読(recto)と次読(verso)

導言 表現解析の糸口を見つける 105
いろはうた〈(7+5)×4=48〉 108
歌集の文脈のなかで個々の和歌を読む 110
あかすとやなく 112
文化的生態 115
「〜に飽く」か、「〜を飽く」か 115
夏の夜を明かす 120
清音と濁音 123
無標と有標 124
初読と次読 126
和歌の複線構造 127
方法論のまとめ 131
鳴き明かしてねぐらに帰ったホトトギス 132

■■■第四章  古典文法で説明できない構文--一字一句にこだわって読み解く

導言 つじつま合わせの文法的解釈が原文の表現をゆがめる 135
いつしかと、またくこころ 139
誹諧歌Ⅰ 142
ことばによるイマジネーションの喚起から、仮名によるイマジネーションの喚
起へ 145
「たなばた」は牽牛か織女か 147
おそれいりやの鬼子母神 148
マタグ心 153
『類聚名義抄』とは 156
観智院本『類聚名義抄』の和訓マタグ 157
脛に上げて 163
『土左日記』の「脛にあげて」と『徒然草』の「脛の白きを見て」 164
元永本『古今和歌集』のテクスト 166
本居宣長の解釈 170
暫定的解析 174
『古今和歌集』における誹諧歌の特色 174
誹諧歌Ⅱ 176
「われおほし」は誤写ではない 178
上の句の解釈 182
マタグとマタガル 186
適切な表現解析のためには適切な方法がなければならない 187
一字一句をおろそかにしない 191

■■■第五章 ウタガタの姿(形状)と形(語形)--文献学的アプローチの結実

導言 仮名文を精読するために不可欠な日本語史の基礎知識 195
『方丈記』冒頭の一節を読みなおす 198
ウタカタかウタガタか 199
自然現象の観察に基づいた叙述なのか 202
注釈書の現代語訳 204
浮かんでいるか、浮かんでくるか 206
かつ消え、かつ結びて 207
言語の線条性、書記テクストの線条性 209
「あわ」、「みのあわ」、「みなわ」、そして「うたがた」 210
水の上に壺のやうにて浮きたる泡とは? 211
ウタガタとアワ 216
『古今和歌集』のアワ、ミノアワ、ミナワ 218
『後撰和歌集』のウタガタ 220
『和名類聚抄』の「宇太加太」 221
図書寮本『類聚名義抄』の声点で語形を確認する 224
『和名類聚抄』の注記と日本語との対応関係 225
関戸本『古今和歌集』無番号歌の「うたかたも」 226
『万葉集』の「宇多我多毛」 228
『古今和歌集』無番号歌のウタガタと『万葉集』のウタガタモとの関係 231
元永本『古今和歌集』の無番号歌の「うたかた」 233
『後撰和歌集』の和歌と『古今和歌集』無番号歌との再検討 235
他人の空似か 238
仮名文テクストは引用符の挿入を受け付けない 240
古辞書の引用による無意味な権威づけ 243
テクストとしての『後撰和歌集』 244
平安時代の「うたがた」と『万葉集』の「うたがたも」との関係 248
名詞ツユの副詞化 250
ウタガタモのモは名詞ウタガタの概念を支えていた 253
ウタタ(●)に着目する 260
重音脱落による *ウタタガタ→ウタガタの可能性 261
ウタガタとアワとの違い 265
『方丈記』冒頭の構成 267
ウタタガタからツユへ、そして、ウタガタからウタカタへ 269

■■■補章 助動詞キの運用で物語に誘い込むー物語冒頭文における助動詞キの表現効果 273
前言 273

法話の冒頭における助動詞キの表現効果 280

むすび 283

著者プロフィール

小松 英雄(コマツヒデオ)

上記内容は本書刊行時のものです。

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