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 中世王朝物語全集

苔の衣 中世王朝物語全集7

今井 源衛(編著)

A5判  336頁 
定価 4,660円+税
ISBN 978-4-305-40087-1 C3393
在庫僅少

奥付の初版発行年月 1996年12月
書店発売日 1996年12月01日

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解説

源氏物語や枕草子の後の物語は鎌倉時代に成立した29篇の物語が伝わる。これらは源氏の亜流に過ぎないとして顧みられることは少なかったが、実は鎌倉期特有のドラスティックな独創に溢れている。

紹介

苔の衣(こけのころも)今井源衛[校訂・訳注]

関白の子の主人公、苔の衣の大将は、
恋い慕う女性と苦難の末に結婚できたが、
妻はじきに亡くなり、悲嘆のあまり出家入山する。
遺された娘は成人して東宮妃となるが、
東宮の弟の兵部卿宮に犯されて罪の子を産み、
宮は思い悩んで死ぬ。
東宮妃は中宮に上ったあと、物の怪のために危篤に陥るが、
行方不明だった大将が山伏姿で現れ、
兵部卿宮の死霊を折伏、娘を救う。
その他、継母の悪企み・夢のお告げ・
美女の盗み出しの失敗・住吉浜への流浪など、
三代四十年にわたる宿命と悲恋の物語。
初の現代語訳である。

目次

凡例

苔の衣(こけのころも)今井源衛[校訂・訳注]

春 注 系図
夏 注 系図
秋 注 系図
冬 注 系図

年立・主要人物呼称一覧・校訂付記・梗概・解題

前書きなど

刊行に際して


 院政期から鎌倉時代の間に成った王朝物語は、
『松浦宮物語』『石清水物語』『有明の別』その他、
現存作品だけでも二十八部の多きに達するにかかわらず、
最近まで一様に「擬古物語」という称を与えられて、
ひたすら平安朝物語の模倣作とされ、
読むに値しないものと見なされてきた。
従って、大部分はごく少部数の原典の翻字があるのみで、
現代語訳もほとんど刊行されていないのが現状である。
 その結果、それらが一般の読者にまったく読まれなかったのは
やむを得なかったとしても、専門の研究者ですら、
この時期の物語の文体には特異な語彙や語法があるという点もあって、
右のような常識に甘んじて、
自ら作品を読み、研究を進める姿勢が乏しかった嫌いがあるように思われる。
これらの作品がこうしてひとしなみに継子扱いを受けてきた最大の理由は、
作品の内容にあるのではなく、
現代語訳がほとんど無かったという事実に由来するのである。
 もし、今、それぞれに読みやすい本文を立て、現代語訳を添えることが出来れば、
これらの作品の面目は、世上俄に一新され、
その評価にも再検討が加えられるに違いない
———我々は、数年以前から期せずして、この一致した見解の元に準備を重ね、
同志を糾合して、「中世王朝物語研究会」を組織し、
市古貞次・三角洋一編『鎌倉時代物語集成』七巻の本文の完結に引き続いて、
ここに本全集を刊行することにした。
日本文学史の数少ない盲点の一つが、この全集によって明らかにされ、
それが広く読まれることで、
その評価も見直される日の近いであろうことを期して疑わない。
ここに、江湖諸賢のご支援を切に望むものである。

編者

著者プロフィール

今井 源衛(イマイ ゲンエ)

上記内容は本書刊行時のものです。

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